『医者が教える最強の栄養学』|キッチンに一冊・健康・栄養のこと

こんにちは。あさよるです。花粉症と季節の変わり目の、つらい季節です……「春」というのは待ち遠しいのに、いざ側まで来ると山あり谷ありですね……。体調崩しがちな時期だから、手が伸びてしまうのが〈健康本〉w 読むだけで身体によいことをしたような気になりますが、読んでから、実践してナンボですよ。

『医者が教える最強の栄養学』は、その名の通り意志が、巷で語られる〈健康法〉のホントのところを斬りながら、日ごろの献立で使える食品栄養の項目がまとめられています。キッチンに常備しておいて、「あ、そういえば」と都度手に取って読み返すための本です。

溢れかえる〈健康情報〉の時代に

本書『医者が教える最強の栄養学』は、巷で氾濫する〈健康情報〉に釘を刺し、それらが偏った知見からくるものだと提示します。後半では、栄養素の働き方や取り方が紹介されています。

日本ではテレビで「○○は身体がいい」と放送されるとダーッとみなが詰めかけ、「△△健康法」と聞けばまた飛びつき「ジョギングがいい」とか「有酸素運動」とか「コレステロール値」「プリン体」とか、よくわらないけどなんかすごそうな単語が商品の横で踊っています。

さて、その言葉の意味をどれほど我々は理解しているのか。そして、その健康法は、ほんとに体にいいのか。答えは、イエス/ノーと簡単に言えないから昔く、それ故に多くの人は短絡的な解決法に飛びつくのかもしれません。

例えば「お酒は身体に悪いのか」。お酒を飲むことでリラックスし、潤滑油として上手に用いる人がいます。「コレステロールは身体に悪いのか」。コレステロールは身体を作る材料で、必要な栄養素です。すべてをカットしてはいけません。「ジョギングは身体に良いのか」。ジョギングのせいで足腰を痛めては元も子もありません。それに、スポーツはそもそも肉体を酸化させるものです。

健康のホントのところは、簡単にイエス/ノーで答えられることではありません。だから、消費者の恐怖をあおって商品を購買させるのも極端だけど、「○○は身体にいい」と言ってテレビで特集が組まれているのもいかがなものか、というお話です。正しい/間違いで語れないからこそ、知識が必要なんですね。

本書では巷で語られる〈健康法〉がバッサリ切って捨てられ、ショック療法的に、自分の知識が「思い込み」あるいは「テレビの見すぎ」だと知らされます。

栄養学は難しい

本書の後半は各栄養素の紹介なんですが、栄養学は難しい!>< 情報が多すぎて大変です。が、この情報が大事……テレビや情報誌ではキャッチ―でライトな内容しか触れません。しかも、恐怖や購買意欲を煽るようなものばかりです。正しい、冷静な情報に触れる手段を見つけておきましょう……。

正攻法で、教科書読むが手っ取り早いかも

本書『医者が教える最強の栄養学』は、新書でコンパクトに栄養学の知識が詰め込まれた書物なんですが、ほんとに栄養学についてある程度知識を身につけたいなら、面倒くさいけど、教科書的な本を探してきて、勉強するのが一番手っ取り早い気がします。放送大学の授業とかオススメです。正直、新書一冊で理解できる範囲じゃないだろうし、「理解した気になる」が一番厄介な気がします。

といっても、一冊でサクっと読める栄養学の本は面白いし、キッチンに常備しておいて、気になったとき気になった箇所だけ読めば良いでしょう。それがコンセプトみたいだし。ちょっと煽り気味のフレーズが並んでいますが、これくらいの刺激、日ごろ広告で見まくってるので気にならないという……。

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医者が教える最強の栄養学

目次情報

はじめに

第1章 今、本物の栄養学が必要

あなたの健康度をチェックしてみよう

今までの「健康常識」は間違っている!?

・ほんとうに、タバコはいけないの?
・「スポーツは体にいい」を卒業しよう
・無理せず、ムラなく、無駄なく、楽しく運動することがベスト
・「ビールでプリン体が増え、痛風発作が起きる」は誤り
・健康管理「不真面目グループ」の方が病気が少なかったフィンランド症候群
・がんの「早期発見」なんて嘘

糖尿病を防ぐ

・日本人のもっている倹約遺伝子が糖尿病を生む
・カロリー制限と運動療法では糖尿病は治らない
・合併症を防ぐために活性酸素を除去する「スカベンジャー」を摂取する
・「抗酸化作用」で病気を防ぐビタミンC
・ニンジン、カボチャなど緑黄色野菜、海藻、ポリフェノール

体に必要なコレステロールの酸化を防ぐ

・コレステロールは細胞膜を作り、ホルモンの原料となる必要不可欠なもの
・コレステロールに悪玉も善玉もない
・コレステロールの酸化を防ぐ「レシチン」を含む卵・青魚・大豆
・レシチンは免疫力を高める

動脈硬化を防ぐ

・動脈硬化は心筋梗塞・狭心症・脳卒中につながる
・交感神経が過緊張する生活を見なおそう
・動脈に弾力を与える青魚・牛スジ・手羽先に含まれるエラスチン
・動脈硬化解消に必要ないわし・かつお・まぐろ・豚肉のビタミンB6

脳出血を防ぐ

・クモ膜下出血と脳梗塞は交感神経の過緊張が原因
・脳梗塞の薬物治療

肥満を防ぐ

・40歳時点で太り気味の人がもっとも長寿
・太る原因はストレス
・蓄積した脂肪を燃やす効果的な方法は軽い運動
・肥満を予防する「レプチン」
・空腹と満腹のしくみ

内臓脂肪を防ぐ

・動脈硬化に進まないように
・過食、早食いをやめる
・脂肪肝の原因はズバリ「ストレス」

高血圧を防ぐ

・塩分摂取量が増えると血圧は低下する
・塩分摂取量が少なくなるほどLDLコレステロール値が上がる
・カルシウムとマグネシウム、カリウムの補給を
・危険な血圧降下剤
・血圧が上がらない生活「怒らない、怖れない、悲しまない」

便秘を防ぐ

・食物繊維と水分補給を

第2章 病気のほとんどはストレスから

私たちの体は自律神経がコントロールしている

・活動の交感神経と副交感神経
・自律神経のバランスが良いときは健康が保たれている
・白血球も自律神経の支配を受けている

ストレスによる自律神経の失調が病気をつくる

・90%以上の疾患は顆粒球の増多が原因
・胃潰瘍――顆粒球から大量に放出された活性酸素が胃粘膜を破壊する
・潰瘍性大腸炎――顆粒球は死ぬ間際に大腸の粘膜に活性酸素を放出して粘膜にびらんや潰瘍を形成させる
・ストレスが発がんに結びつくメカニズム

白血球が体の免疫機能を司っている

・活性酸素によって傷つけられた細胞も大掃除してくれるマクロファージ
・マクロファージを元気にするために必要な食物繊維の摂取
・小腸を守ることが健康のためには最も重要
・悪玉菌を減らすために上手にヨーグルトの利用を
・腸内を整える海草や穀物・野菜

「活性酸素」が細胞を破壊し病気をつくる

・「活性酸素」とは何か
・ストレス・大気汚染・食べ物など活性酸素の多い現代生活
・活性酸素がひきおこす障害・病気

活性酸素をいかに除去するか

・SOD酵素が作られるとき必要なミネラル〈亜鉛・セレン〉
・活性酸素を除去する「掃除屋(スカベンジャー)」
・抗酸化物質はチームを組んだ方が能力は強くなる
・スーパー抗酸化物質「αリポ酸」と「ビタミンE」

細胞内のミトコンドリアを元気にすることが体の元気につながる

・生命の“発電機関”ミトコンドリア
・ミトコンドリアを元気にする紫外線と微量の放射線
・ほどほどの運動がミトコンドリアをふやす
・ミトコンドリアを守る「ビタミンE」「コエンザイムQ10」

副交感神経優位でNK細胞を活性化する生活を送ろう

・怒らず、怖れず、悲しまず、そしてよく笑おう
・天風先生の「ストレスから身を守る」秘伝
・がん治療の基本を知らないことからくる悲劇
・身体に「ありがとう」と感謝するだけでも、いい方向にすすむ

第3章 現代型栄養失調時代に対処する法

カロリー一辺倒の考え方はまちがい

・小学校の給食メニューを見たことがありますか
・「腹八分目に医者いらず、腹六分目に薬なし」
・欧米人と日本人は遺伝子が違う
・明らかな肥満の人以外、やたらダイエットするのはよくない

食事から摂取しなければいけない必須脂肪酸

・オメガ-6が過剰で、オメガ-3が決定的不足している現代の食事事情
・アラキドン酸を多く含む肉類や乳製品を極力減らそう
・オメガ-3の効果は、賢脳をはじめとしてすごい
・サプリメントで摂取可能だが「サプリメントだから安心」は禁物
・自然界に存在しない狂った脂肪「トランス細胞」の危険
・「植物性マーガリン」はゴキブリでも食べないプラスチック

第三のホルモン「プロスタグランディン」

・体内での整理活動に大きな役割を果たしている生理活性物質
・プロスタグランディンは体の機能を自由にコントロールする

この危機にどう対処すればよいか

・21世紀の公害「電磁波ストレス」
・骨粗しょう症とホルモンD
・日本人は慢性ビタミンD不足
・牛乳神話にまどわされないように
・内部被爆した食品
・必要なヨウ素、カリウム、カルシウム、鉄

第4章 キッチンに置く「栄養学」

1 ビタミン学

◎栄養だけを考え、消化吸収を忘れていないか?
◎ビタミンは生きるために重要な栄養素
《脂溶性ビタミン》
ビタミンD/β-カロチン/ビタミンD/ビタミンE/ビタミンK
《水溶性ビタミン》
ビタミンB群/ビタミンB1/ビタミンB2/ナイアシン/ビタミンB6(ピリドキシン)/ビタミンB12/葉酸(フォレート)/ビタミンU(ビオチン)/パントテン酸/ビタミンC(アスコルビン酸)

2 ミネラル学

◎ミネラルとは何か
《メジャー・ミネラル》
亜鉛/ヨウ素/鉄/マンガン/クロム/モリブデン

3 夢の栄養素「食物繊維」(ファイバー)

◎生活習慣病を防ぐ食物繊維
◎ファイバーが帳をきれいにする
◎コレステロール値を下げる
◎発がん性物質を捕まえる
◎ファイバーによる胆汁酸の文化物の捕捉
◎安全なダイエットはファイバー

4 腸内フローラ

◎理想的な腸内環境を作ることは腸内フローラを整えること
◎オリゴ糖は腸内細菌のエサになってくれる

5 フィトケミカル

◎フィトケミカルのガン予防効果
ポリフェノール/イオウ化合物/システイン・メチオニン/カロテイノイド/テルペン/β-グルカン/その他

6 核酸

◎抗酸化作用を発揮して遺伝子の損傷を防ぐ

7 酵母

◎自然の治癒力が凝縮された「酵母」

8 クロレラ

◎インターフェロンをつくる「クロレラ」

9 水

◎一日2・3リットル必要な水

10 ビール酵母

◎ミネラルが豊富に含まれ、グルタオチンは抗酸化物質

この素材、この栄養が健康な体を作る

野菜類/果物/魚介類/その他

あとがき

参考文献

伊藤 豊(いとう・ゆたか)

千葉県茂原市出身。医家16代。昭和52年聖マリアンナ医科大学卒業。千葉大学整形外科入局。沼津市立病院、富山赤十字病院、千葉県救急医療センター、川鉄千葉病院勤務。平成8年に茂原機能クリニック開設。整形外科、手の外科、マイクロサージェリー専門。医療法人天榮会茂原機能クリニック理事長・院長。

著書に『中村天風健康哲学』『中村天風健康哲学 ありがとうで生きる』(ともに当社刊)がある。

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