こんにちは。小学生に挨拶をされる あさよるです。登下校時、子どもたちが「おはようございます」「こんにちは」と声をかけてくれるので、慣れるまでビクッとしてましたがw、慣れると誰かが街中で挨拶してくれるのっていいですね。
あさよるは独身で子どももいないので、これまで子どもたちと関わる機会なんてなかったんですけど、先日、小学生の男の子に「す、すいません」と声をかけられて話を聞くと「友達が下校途中でお腹が痛くなったから助けてほしい」というSOSで慌てたw(「近くの郵便局か神社でトイレを借りよう」と提案したのですが、ひとまず「頑張って家まで帰る」という話になった)。大人だけで暮らしてると地域社会と接点がありませんが、子どもを通じて地域と関わっている実感を持てている気がします。
とまぁ、要するに子育てとは縁のないあさよるですが、なぜだか子育て本を読んでみました。今、子育てをしている人たちがどういうことを考えているのか知れたらいいなぁという思惑もありました。
子ども時代になにをするか
本書『才能の育て方』では子どもに大人たちがどんな「育て方」ができるのか紹介するものです。学校へ通うようになった時、学校でクラスメイトと潤滑にコミュニケーションを取り、学業にも意欲的に取りくめる「良い子」を育てます。
本書が対象としているのは、小学校に上がる前の児童と接する機会のある大人です。小学校に上がるまでに、学校生活を支障なく送れるよう準備すること。クラスメイトとコミュニケーションを取れること。学習効率を上げる素地をつくること。刺激溢れる日々を提供すること。運動ができる子にすること。前向きで意欲を失わない子どもをつくること。子育てで親は何をすべきか、など、意欲的でコミュニケーション能力の高い「良い子」と、そのために親がすべきことについて触れられます。
やっぱ「体験」の見つけ方
本書では「右脳を育てる」という文句が目立ちます。左脳を刺激せず右脳のみを育てることってできるのか? と少々ツッコみたくなりましたが(苦笑)、「右脳を育てる」とは、「想像力や直観を育てる」というニュアンスで使われている言葉みたいですね。「つまり抽象概念を扱えるようになること?」と思いましたが、抽象思考を扱うのは左脳の仕事らしいので、よくわかりません>< どうやら、右脳は〈身体感覚〉を伴うような思考を指してるのかな。
んで、本書では「右脳を育てましょう」ということですから、つまり「体験・経験を育てよう」ということです。
小中高ので扱う勉強の範囲って、理科や社会科なんかは特に、身近で起こっている出来事が中心です。子ども時代に多くの経験・体験をした人ほど、身近で見知った出来事の「理由」なんですよね。勉強って、「ただ暗記するだけ」「役立たないことをやらされてる」と思えば、こんなにくだらないことはありません。しかし一方で「これは自分に関係ある」「これは自分の将来に関係している」と、「自分ごと」に感じると、いっぺんにあらゆることが興味深く、面白く思えるから不思議です。
もし、大人が子どもにできることがあるなら、「あなたのすぐそばで起こっていることである」と実例を挙げるくらいかもしれません。
「自分の子ども時代」が当てはまらない
子育ての話になると、誰もが当事者なので、誰も彼もが言いたいことを言います。そう、すべての大人はかつて子どもでしたし、子育てを経験する人も少なくありません。
だけど、忘れちゃいけないのは、今は2018年で、今子育てしている人たちは〈2018年版の子育て〉をしてるってことです。他人の子育てに物申す系の人の話って聞いてると、平気で半世紀も前の自分の子ども時代の話を持ち出しますからねぇ。さすがに50年前と今じゃ世界はまるで別のものでしょう。学校の制度もがらりと変わってるしね。でもまぁ、気持ちはわからなくもないから、一方的に攻めてやるのも酷だなぁとも思わなくもないけど。
子どもは「思い出」の中に生きていない
赤木かん子さんの『子どもに本を買ってあげる前に読む本』で、ドキッとする記述がありました。子どもが読書嫌いになる理由の中に、大人が面白いと思って与えた本が子どもにとって面白くないことがある、というものです。例えば「ハリー・ポッター」シリーズはすでに今の子どもたちにはあんまりウケない、なんて話も……!?
あさよるネットでも以前「こまったさん」シリーズを紹介しました。この「こまったさん」シリーズは、あさよるが子ども時代に夢中になって読んだ大好きなシリーズなのですが、確かに今の子どもが読んでも面白くないんじゃないかと感じます(ちなみに、あさよるは今読んでも面白い)。
「きっと今、子どもが読んでも面白くないだろうなぁ」と感じるのは、物語で描かれている世界が「古い」から。それに尽きます。この「こまったさん」シリーズが出版されたのは80年代で、子どもからすればもう「歴史」の時代なんですよね。だから、「こまったさん」を読むためには注釈をいっぱいつけないともう意味が分かりません。
例えば、こまったさん夫妻は花屋さんを経営していて共働きなのですが、わかったさんだけ家事や料理をします。しかも夫のクマさんは、友達を急に家に呼んで、わかったさんに料理を用意するよう一方的に指示するのです。……ね、今読むととんでもない夫でしょw だけど、80年代って今みたいに電子レンジもないし、冷蔵・冷凍の技術も進んでなかったし、24時間やってるコンビニもファミレスもなく、スーパーも夕方になると閉まってしまいます。夫婦共働きなら、どちらか料理担当・買い出し担当を設けないと対応できないし、外食できないから自宅に人を呼ぶしかなかった。80年代ってそういう時代だったんですよね。「歴史」なんです。
で、子どもにそんな「注釈がないと読み解けないような時代の本を読め」というのは、そりゃ読書が面白くないわな、と。
大人にとって、それがどんなに思い出深い「子ども時代のとっておき」だからといって、今の子どもにとっては別の話。子どもは思い出に生きていないのです。ちゃんと「今を生きている子ども」に、「今の育て方」をしなきゃいけないなら、子育てって難しいなぁと思いました。
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才能の育て方: 親との思い出が子どもの一生を決める
目次情報
はじめに
Part1 「聞くことができる」育て方
1 小学校入学前に聞く力をつける
2 「聞けばわかる」体験をさせてあげる
3 子どもの話をちゃんと聞いているというサインを送る
4 「聞く力」と「見る力」を伸ばすと応用力が身につく
5 どんなことも親がお手本を見せる
6 著名人の「聞く力」の特徴とは?Part2 「コミュニケーションが上手になる」育て方
7 クラスメートとしっかり話ができる子どもに育てる
8 フレンドリーな子どもにする方法
9 親が目指すべきなのは子どもが真似するに値する存在になること
10 異文化に触れさせる
11 スリープオーバーを上手に利用する
12 子どもの命の長さを逆算して考えてみると子育ての答えが見えてくるPart3 「記憶が得意になる」育て方
13 話すことは記憶を反復すること
14 楽しい時間が長いほど子どもの記憶力は向上する
15 幸せを実感できる子どもの育て方
16 昔の出来事を振り返る行為は自分が生きている証を確認すること
17 運動と記憶力の密接な関係を意識する
18 あなたのお子さんは学校で起きた出来事を説明できますか?
19 子どもの弱点を補うために得意な分野を強化する
20 子どもとITとの関わりには親が明確な基準を持つ
21 記憶力がよくなる「東大脳」の作り方
22 ひらめき脳を育てるPart4 「右脳を強くする」育て方
23 幼ないうちは右脳を成長させることが大切
24 物事を多角的に見る右脳の力を育もう
25 幼児期の左脳化には注意が必要
26 80歳になっても脳が発達する理由
27 両手を使うと子どもは変わる
28 子どものモチベーションを高めるコツ
29 「繰り返し」の作業が子どもにもたらすものPart5 「運動に自信がつく」育て方
30 新生児の脳はなにを求めているのか?
31 自分で見て判断し行動する力をつける
32 眼筋を使う動体視をチェックしよう
33 どうして遠くを眺めさせるのは脳にいいのか?
34 砂地で足の裏に刺激を与える
35 2~3週に1度はイベントを作ってお出かけに行く
36 我慢強い子どもを育てるために親ができること
37 運動をすると根気も生まれてストレスにも強くなる
38 早起きする習慣は絶対必要
39 大きな動きと細かい動きの両方を鍛える
40 細かい動作をして柔軟な考え方を養う
41 子どもにはたくさんの汗をかかせる
42 赤ちゃんにとっては抱っこされることも運動の一つ
43 子どもと一緒に行動することのメリットは
44 父親の役目は子どもに自主性の種を植えつけることPart6 「ポジティブ思考なる」育て方
45 夢に自分から近いづいていく子どもを育てる
46 子どもには親が見せたい世界だけを見せる
47 遊びと勉強に優劣をつけない
48 子どもとの年齢差を意識する重要性
49 子育てのポジティブな連鎖を目指すPart7 よりよい子育てのための親はなにができるのか
50 皮膚感覚という財産を脳に残す
51 会話で目指すのは1対9
52 時には意識して距離を取ろう
53 勉強もまずは親が楽しむ姿勢を見せる
54 環境づくりの大切さを知る
55 読書は物語と伝記がおすすめ
56 脳の伸びやすいところ、伸びにくいところ
57 母子関係と父子関係の決定的な違いを意識する
58 子どもの記憶に存在しない父親にならないために
59 結果はすぐに求めない
60 人間の脳は常に成長したがっている
61 集中力が続く儀式を作るあとがき
コラム 気をつけたい! 子どもの脳にいいこと・悪いこと
① 形態視と空間視
② 勉強脳と社会脳
③ 前頭葉と憧れ
④ ネガティブ脳
加藤 俊徳(かとう・としのり)
脳内科医。小児科専門医。医学博士。1961年新潟県生まれ。加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。米国ミネソタ大学、東京大学などで脳研究に従事。MRI脳画像を用いて胎児から超高齢者まで1万人以上の人を診断・治療。『発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニング』、『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』など著書多数。
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