私は一人でどこへでも行っちゃえる性格で、一人で動物園へも出向きます。
たまたま動物園の近くに用事があり、どうせならと30分ほどの時間を作り飛び込みました。
夜行性の動物ばかり集めた、真っ暗な屋内の建物があり、そこを一人で歩いている時初めて「怖い!」「あ、一人で動物園へ来ちゃった!」と気付きました。
普段から一人でフラリと出かけるので、「ひとり動物園デビュー」だったことにも気付かなかったのでした。
パンダ舎では屋外でパンダが一頭、木の影で寝ていました。
一人で動かないパンダを観察し続けるのは少し難しいのです。
パンダが間近にいるなら細部を観察できますし、遠くにいても動き回っていると、パンダの動作が分かります。
ピクリとも動かないパンダ!
その日のパンダは、木の影でどの角度からも覗き込めず、パンダの全体像も見れませんでした。
誰かと一緒だったら「動かないね」「ぬいぐるみみたいだね」なんて言い合えるのでしょうが、すべて自分の中で完結してしまうことが、単独行動の弱味でしょうか。
確か、この動物園にはパンダが二頭いたと思うのですが、屋外には一頭しかいませんでした。
パンダというのは、一頭で生きる生き物のようです。
孤独を愛するパンダに親近感?
他のパンダと一緒にいるのは、母親と生まれてから親離れするまでと、短い発情期にオスとメスが出会ったときのみで、それ以外は一頭で暮らしているようです。
孤独を愛するパンダ……見た目の愛らしさに反し、パンダの生態はなかなかクールです。
一人で動物園を満喫している自分と、単独の大半を生涯を過ごすパンダ。
なんだか親近感がわき、以前よりパンダが好きになりそうです。
パンダの元祖はレッサーパンダ
『パンダ――ネコをかぶった珍獣』の著者・倉持浩さんは、上野動物園のパンダ飼育に関わっている方です。
パンダの生態や繁殖、歴史、パンダをめぐるメディアの扱いなど、飼育係ならではの内容でした。
ちなみに「パンダ」の元祖はレッサーパンダ。
白黒のパンダをヨーロッパ人が発見した時、レッサーパンダに近い種だと考え「ジャイアントパンダ」と名付けられました。
レッサーパンダの名付けが先だとは、意外です。
パンダはどんなに愛らしい容姿とはいえクマの仲間です。
じゃれたつもりでパンダがひっかいたり、甘咬みされても人間はひとたまりもありません。
パンダを近くで見ようと、来園者がパンダの飼育者に勝手に忍び込み怪我をすることもあるんだとか。
かわいい見た目から大人しいに違いないと思い込んでしまったのでしょうか。
かわいいパンダは身近なもの?それとも珍獣?
人間の目から見ると、パンダはとても可愛らしく、ふわふわのぬいぐるみのように見えます。
パンダを元にしたキャラクターや、パンダグッズも、一つくらい誰でも持っているのではないでしょうか。
パンダを模した物は私たちの側にあり、パンダに親しみを感じます。
しかし、私達はパンダの生態についてあまり多くを知りません。
本書タイトルでも「珍獣」を書かれており、謎に包まれた珍しい生き物です。
動物園へ行く前は、こうやって動物の生態について調べておくと、何倍も楽しめそうですね。
また、ひとり動物園するときのために、動物情報もインプットしてゆきたいです。
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パンダ ネコをかぶった珍獣
パンダ――ネコをかぶった珍獣 (岩波科学ライブラリー〈生きもの〉)
倉持 浩
岩波書店
(2014)
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