こんにちは。あさよるです。ネットで就活の話題を見かけるので「そういえば就活っでどんなだったかなあ」と、ズバリ『内定力』というドストライクなタイトルの本を見つけ、手に取りました。あさよるは就活してたのは、かれこれ10年前……?
就活しんどい……就活が憂うつ……ならば、『内定力』を読みましょう。本書『内定力』は、よくある就活本ではなく、就活をゲームのように捉え、ゲーム攻略ならぬ「就活攻略」を呼び掛けています。就活のクリア条件をわかってますか? 学生時代の経験や、挫折について質問されるとき、企業側は本当はなにを知りたいのでしょうか。
サクっと軽く読めて、気持ちまで軽くなる就活攻略本です。超マジメモードな本が並ぶ中、ちょっと茶化しつつ就活ゲーム攻略法を紹介してくれるのも、気分がいくらか楽ですね。さて、あなたはどのキャラですか?
会社がほしいのは「信頼」
まず、就活ゲームのクリア条件はなんでしょうか。それはズバリ「自分を信用させること」です。しかも「言葉」を使って。
企業が欲しいのは、即戦力でも優秀な人材でもありません。なぜなら、学生は即戦力にはならないことは分かっていますし、優秀かどうかは、どう育てるかなのですから。だから、企業が知りたいのは「この人は信用に足る人物かどうか」ということです。簡単に言えば、約束した日に、約束した時間、約束通りに来てくれる人を探しています。
「だから、ま、気楽にやりましょ」というのが本書のメッセージ。あなたが面接でアピールすべきは「私を信頼しても大丈夫ですよ!」という一点のみ。そして、相手を信頼させるための作戦が、就活ゲーム攻略法なのです。
学生の「信頼度」なんてほとんど一緒
「コネ」もある種の信頼です。企業側も「あの人の推薦なら……」「あの人の後輩なら……」と、少しでも信頼につながりそうなポイントを探しているんです。
企業側は少しでも信頼が欲しいので「偏差値」という尺度を担保にしようとします。ですが、「学歴フィルタ」はあまり意味がないとも言います。なぜなら「たとえ東大生であっても、学生の信頼レベルは大して変わらない」からだそうです。学生の立場にとっては、偏差値や学歴は大きな差に思えますが、社会人にとっては学生は学生。有名大学出身だからって、信頼レベルは低いのです。
出身大学の偏差値は、信頼ポイントの加算要素にはなりますが、あまり大きなポイントではないということですね。
あなたは何キャラ? キャラ別就活の闘い方
就活ゲーム攻略法ですから、自分自身もゲームのキャラクターに当てはめて、自分の武器や必殺技、特技やレベルアップ法を知っておきましょう。
キャラは8つ。勇者、旅芸人、戦士、武闘家、魔法使い、発明家、僧侶、吟遊詩人に分かれています。自分はどのタイプなのか見つけましょう。そして、自分に最適な闘い方を知るのです。
勇者
「勇者」は人のために頑張ります。人に喜んでほしいし、人に褒められたいのです。エネルギーの源が他者にあるのが特徴です。勇者は最前線でも戦えるし、後方支援もできます。チーム全体を見まわし、仲間への気づかいができるのです。
勇者が呪いにかかると、周りの目をきにしてガチガチの「ザ・就活性」っぽくなってしまいます。他人の目に振り回されないように気をつけましょう。
みんな勇者に憧れています。カッコいい勇者を目指しましょう。
旅芸人
「旅芸人」はみんなが楽しんでくれるなら、体を張って空気を変えるのも厭いません。人を楽しませたい! みんなで楽しみたい! 誰かに振り向いてほしい! それが旅芸人の原動力。だから、多少嫌なことでも相手が喜ぶならやっちゃいます。だけど、実は心は繊細だったりするんですよ。誰よりも敏感に周りの雰囲気を察知しているのです。
旅芸人はその場の雰囲気を読む達人。どんな状況でもどうにかしちゃうのが強みです。
呪いにかかると、誰よりも自信喪失し、いちばん苦労するのが旅芸人。みんなを楽しませたいってだけなのに、自己アピールせよと言われると悩んじゃうんですね。就活でも、焦って喋って的外れな受け答えをしちゃいがち。だけど、他のキャラの能力を引き立たせられるのは旅芸人だけ。それを忘れないで。
戦士
「戦士」はいつも勝利を目指します。勝ちたい相手や、達成したい目標があると燃えちゃいます。また、負けた悔しさで強くなる。日ごろから勝ち負けに敏感で、いつも地道な訓練をやめません。「弱い自分」すら超えるべき壁なのです。
戦士のフィールドは最前線とは限りません。「勝てる場所にいる」それが戦士なのです。負けるかもしれないことはしないのです。
戦士の呪いは、自分の納得度や志向よりも、「絶対内定が取れる企業」や「企業の知名度」で動いちゃうところ。落とし穴にはまらないように。
新人の頃は、生意気なヤツだと思われますが、デキる社会人になれるのも戦士です。
武闘家
「武闘家」はフットワーク軽く、誰より早く敵に一撃! まず攻める! 兄貴分気質なのも特徴です。武闘家の活躍フィールドは最前線。誰よりも一歩先に居たい、好き勝ってやりたいと願っています。だから、いつも成功するとは限らないのも特徴です。
呪いにかかりにくいのが武闘家の特徴です。自分視点になりすぎずに、情熱と冷静さを併せ持つイノベーターを目指しましょう。
魔法使い
「魔法使い」は地道にコツコツと魔法の修得を欠かしません。最前線で戦わないけど、一人での作業が得意です。魔法使いは正確さや規律を重視します。目立った活躍をするタイプではないけど、パーティに必ず必要なキャラです。冷静にデータを集め、地道にチームを守りましょう。派手じゃないけど、緻密な計算が得意な魔法使いは、感情的にならず「正しい答え」を導き出します。
魔法使いが呪いにかかると、真面目過ぎちゃうところがアダになります。キャラでもない言動をしちゃうことも。
最初のうちはルールにうるさい頑固者と思われがちですが、社会の中で必ず必要な人材であることをお忘れなく!
発明家
「発明家」は大きな武器も使えず、魔法も使えません。代わりに探求心とアイデアを持っています。敵の弱点を探したり、戦術を見つけます。敵のサンプルを集め、パターン分析・発明を得意とします。
発明家は神出鬼没です。最前線も気になるし、後方支援も気になるし、そして敵地も気になってスパイとして潜り込んだり……。
発明家は呪いにかかりにくいのですが、データ収集しすぎて頭でっかちになりすぎないように。
僧侶
「僧侶」は信じる道を進み、修行の中にあります。そして魔法の力でチームに調和をもたらします。「~こうすべき」が口癖になりがちです。自分の「ありたい姿」「こうあるべき」という信念を追い求め、チームに影響を与えます。
僧侶は後方支援が得意ですが、必要であれば最前線でリーダーの役割もできます。
僧侶が呪いにかかると「本当にしたいことはなんだろう」と悩みはじめ、精神的に追い詰められる人も少なくありません。僧侶は悩みやすいのです。
完璧を求めるあまり「できないこと」にばかり注目しちゃう僧侶は、「自分らしさ」で世界を変えるスーパー僧侶を目指しましょう。松下幸之助もイチローもマザーテレサも僧侶だそうです。
吟遊詩人
「吟遊詩人」は風の吹くまま気の向くまま。独自路線を突き進みます。一人で妄想が好きで、常識やルールなんて気になりません。何時間でも語れる趣味を持っていたりします。社会のルールに縛られたくない吟遊詩人は、アーティスト。豊かな感性で生きましょう。
吟遊詩人はそもそも就活に意識が向いていない可能性があります。レベルが低いままでは「不思議ちゃん」に見られちゃうから、レベルアップしてカリスマを目指しましょう。
「求める人物像」はいないのだ
それぞれ自分のキャラを決めたら、あとはレベルアップ。くれぐれも「伝説の勇者」になんてなろうとしなくていいんです。伝説の勇者とは企業の「求める人物像」です。求める人物像なんて、そんな人いないんです。だから、エントリーシートに伝説の勇者であることを自己PRしなくてもいい。それよりも、自分のキャラと、その武器や必殺技で戦いましょう。
ぼうけんの書を作れ!
キャラが決まり、就活ゲームが始まったなら、必要なのは「ぼうけんの書」です。ぼうけんの書は、毎日ノートに手書きします。就活ゲームは「相手を信用させると攻略」ですから、自分を信用しても良いと伝えるための〈言葉〉の引き出しを増やします。「マジやばい」「マジぱない」では、マジやばいのです。まずは、感情をノートに書くことから。
ぼうけんの書は、毎日書く、手書きする、短く書く、なんでも書く。この4つ。手書きをするのは、図やグラフ、イラストを直感的に書けるからです。最初から上手にたくさんは書けません。ちょっとずつ慣らしてゆきましょう。
就活はしんど……くない?
本書『内定力』で紹介される「就活ゲーム攻略法」は、ゲームに例えられるとすごく面白いし、そしてすんなり頭に入ってきます。
例えば、ゲームの世界よろしく、暇さえあれば「酒場」へ繰り出しましょうと紹介されているのです。それは、酒場のおっさんたちとコミュニケーションと取って「オッサン慣れ」しておけ、というお達しです。すごく面白いアドバイスですが、同時にとても納得します。多くの大学生は、社会の中のおっさんと、接点が少ない人が多いのではないでしょうか。しかし、就活とは、ゆく先々でおっさんと出会い、おっさんと会話することでもあります。社会人として、みんなより一歩先にデビューしましょう。
また、知らない諸先輩方と出会い、その場で可愛がられ「お酒をおごられる能力」で、見事内定をゲットする人もいるそうです。コミュ力ですね。
学生は、まだ社会人ではありませんから、大人と同じような能力は求められていません。それよりも企業側は「信頼に足る人物か」ということがすごく気になっているというのは、説明を聞くとなるほど納得ですよね。本書『内定力』では、就活をゲームにたとえ、レベル上げや武器の使い方など、面白おかしく紹介されています。「就活しんどい」と思い詰める前に、息抜きだと思って、軽いノリで読んでみるのがオススメです。
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内定力 自己PR、エントリーシート、面接対策 etc この一冊でライバルに圧倒的に差がつく!
目次情報
Chapter0
就活を「ゲーム」と捉える:苦労する就活は時代に合わないChapter1
「就活ゲーム」の遊び方:就活のルールを知っておこう(1)「絶対達人」の呪いを解こう!
その「定番」、時代遅れです!(2)就活ゲームの「クリア条件」は?
就活は「言葉で自分を信用させる」活動(3)「分析」や「研究」よりも自分の好みをわかっておこう
ウガンダ料理は、頼めない。(4)就活をシンプルにする「SGモデル」
就活を最短でクリアするための地図(5)「信用獲得力」を高めよう
内定レベルはどれくらい?Chapter2
自分の「キャラクター」を見つける:8タイプで考える(6)「自分のフィールド」はどこだろう?
方向性を決めるための8つの「キャラ」(7)【勇者】みんなを活かす組織の潤滑油
「好かれたい」×「しっかり系」の勇者(8)【旅芸人】まわりに活力を与える盛り上げ役
「好かれたい」×「ふりー系」の旅芸人(9)【戦士】いつも勝利を目指す勝負の鬼
「勝ちたい」×「しっかり系」の戦士(10)【武闘家】リスクを恐れない切り込み隊長
「勝ちたい」×「ふりー系」の武闘家(11)【魔法使い】地道な修行を苦にしない努力家
「知りたい」×「しっかり系」の魔法使い(12)【発明家】「なぜ?」を求める戦略家
「知りたい」×「ふりー系」の発明家(13)【僧侶】信じる道を突き詰める求道者
「究めたい」×「しっかり系」の僧侶(14)【吟遊詩人】独自の世界で生きるアーティスト
「究めたい」×「ふりー系」の吟遊詩人(15)「伝説の勇者」なんていない
「求める人物像」の幻想を捨てよう(16)「欲求」がわかると、人がわかる
企業はいつも「欲求」を知りたがっている(17)それでもキャラ選択に迷ったら
「リーダー」だけでも選んじゃおう
「3つの特性」で考えよう(18)キャラの「揺れ」と「相場観」
調子の良し悪しでキャラも揺れる
「相場観」を持とうChapter3
言葉を磨くための「ぼうけんの書」:自分を理解し表現する(19)就活ゲームの必須アイテム「言葉」を磨く
「ヤバい」がヤバい。(20)感情を捉え、言葉を磨くための「ぼうけんの書」
使いこなすために「セーブ」(21)「4本の矢」で言葉を強化する
感情の「タネ」から矢印を引いていく(22)「ぼうけんの書」の取扱説明書
毎日・手で・短く・なんでも書く(23)就活の意外な武器「対おっさん会話力」
ぼうけんの始まりは「酒場」から(24)「インタビュー」気分で面接を
面接官は「素の学生」を知りたがっているChapter4
キャラクター別「レベルアップ法」:適した「武器」と「戦い方」(25)「武器」と「闘い方」でキャラを立てる
キャラを証明する「ネタ」を集めよう(26)「勇者」の武器と闘い方
「誰かのため」を具現化する(27)「旅芸人」の武器と闘い方
「なんとなく」を言葉にしよう(28)「戦士」の武器と闘い方
「成果や実績」<「頑張り方」(29)「武闘家」の武器と闘い方
「初動」の欲求や働き方こそが強み(30)「魔法使い」の武器と闘い方
その「細かさ」に自信を持とう(31)「発明家」の武器と闘い方
自分も社会も「実感感覚」で(32)「僧侶」の武器と闘い方
理想にとらわれすぎず、想いを言葉にする(33)「吟遊詩人」の武器と闘い方
型にははまらず、わかってくれる人を見つける(34)就活の旅のコツ① 名詞の「好き」に要注意
「好き」の奥には何がある……?(35)就活の旅のコツ② 「迷子の達人」になろう
言葉の量を増やし質を高めるために(36)就活の旅のコツ② 「解釈」と「相場観」を持つ
「解釈」で差をつけよう
冒険者どうしで協力プレイChapter5
「必殺技」を身につける:刺さる自己PRを生み出す7つの方法(37)「必殺技」を生み出そう
必ず刺さる「自己PR」を作る7つの奥義(38)自己PRの奥義① 「ひと事コンセプト」
全ての方向性を決めるシンプルなコンセプトを(39)自己PRの奥義② 「プロット作成」
自己PRにも「設計図」が必要です(40)自己PRの奥義③ 「予告編」
3倍書いて、「おいしいとこ取り」する(41)自己PRの奥義④ 「映像化」
「情景」を描いてイメージ喚起(42)自己PRの奥義⑤ 「ギャップ」
良いところを際立たせるテクニック(43)自己PRの奥義⑥ 「1・5・1構造」
興味・理解・納得の黄金配分(44)自己PRの奥義⑦ 「未来宣言」
「未来」を伝え、「これから」を信じさせるChapter6
自分に適した「パーティ」は?:活躍できる会社を知る(45)本当に自分が活躍できる環境を探すために
企業の「マヌーサ」に気をつけよう(46)「童貞メンタリティ」が嫌われる
「好き」や「したい」じゃ響かない(47)シンプルで信頼される「志望動機」のつくり方
志望動機のジェットストリームアタック(48)「志望動機」を進化させる
情報が「パーティ」を具現化してくれる(49)自分だけの「就活マニュアル」を作ろう
「シンクロノート」で自分と企業をつなげようChapter7
シーン別就活ゲーム攻略法:頻出質問・面接などのポイント(50)「証明写真」の攻略法
証明写真を“盛って”も損をするだけ(51)「強みと弱み」の攻略法
「弱み」の答えは「キャラの揺れ」で解決(52)「○年後の自分」の攻略法
「キャリアプラン」は必要ない(53)「挫折経験」の攻略法
思いどおりにならないときにどうするか(54)「満席の説明会」の攻略法
「電話する」という隠しコマンド(55)「グループ選考」の攻略法
「社会人ごっこ」と混ざらないようにしよう(56)「最終面接」の攻略法
クリアのための最後のピースは「本気」(57)答えはすべて「ぼうけんの書」の中に
ゆるく、楽しい就活を。EX あとがきに替えて
楽しく、気持ちよく、適当に!
光城 悠人(みつしろ・ゆうと)
立命館大学卒。
過去最悪の氷河期(求人倍率0.99倍)の時代に、当時140名の就職情報サービス会社エン・ジャパン(株)に入社。7年間で、新卒求人サイト『en学生のための就職情報』の立ち上げや500社以上の新卒採用コンサルティング等に従事。
同社退職後、「学生が新しい価値観に出会えるコミュニティ」を目指し「猿基地」(2008年~)を開業。その後、日替わり店長の店「魔法にかかったロバ」(2011年~)の立ち上げに関わる。
日々、学生の就職相談に乗り、過去7年間の内定率は100%(うち大手・有名企業が60%)。ライブドアブログ『楽しく、気持ち良く、適当に。』にて、就活をはじめとした情報発信を続ける。
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