
学歴の高い人ほど音楽の趣味を持っている人が多い印象があります。
もちろん、音楽は誰もが好きで愛しているものでしょうが、自分で楽器を演奏をし、バンドやオーケストラに参加していたりと、多趣味で、音楽も積極的に楽しんでいる印象があるのです。
収入の高いグループは、そうでないグループよりも、普段からジム通いやランニングなど、日常の中で運動をする習慣があるそうです。
高校生の体力テストのデータを見ると、偏差値の高い学校ほど結果が良い場合が多く、偏差値の低い学校ほど体力テストの結果も低く出ていました。進学校ほど文武両道なイメージは本当なのですね。
「持てる者と持たざる者」?
才能とか、地頭とか、「生まれ持った何か」というのも大きく働いているのでしょうけれど、要領や手際などの「コツ」を掴むのが早い人と、時間がかかる人がいるのではないかと思います。もちろん、私は後者です。
「歴史をこんな風に物語仕立てで教わっていれば、もっと日本史の授業が面白かったのに」とか「こんなに易しい言葉で説明してくれれば、数学の意味が分かったのに」なんていう言葉を耳にします。私はいつも「それは今だからこそ、その意味が理解できたんじゃないのかなぁ」と思います。
たぶん、学生時代にも、同じように噛み砕いた表現にも触れていただろうし、わかりやすく解説された書籍もそばにあったでしょうが、当時はそれを理解できなかった。しかし、その後も成長をし続けてきたから、今、意味がわかるようになった。時間はかかっているけれども、そこへたどり着いたのです。
勉強する意味、価値を知るとやめられない?
そして、勉強の結果何かを理解できたとき、知識をエンターテイメントとして楽しめます。知識が深まるほど、映画や音楽、アート、文学、テレビやラジオなど、エンタメがより面白くなります。これまで気に留めていなかった複線に気付いたり、パロディやオマージュもたくさん溢れています。
勉強が好きで、勉強をやめられない人は、その面白くて楽しい世界を知っているから、やめられません。
勉強そのものをエンタメのように紹介していたのは『キミが勉強する理由』です。具体的な勉強の仕方を指南していますが、それは勉強もゲームや遊びも同じように没頭するようにと書かれています。今なら、著者の言わんとしていることが理解できます。
ゲームの展開を予測するように、これから現実に起こる、想像もできない未来を、予測する力も必要です。そのために何が必要なのでしょうか。
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Information
藤原先生の心に響く授業 キミが勉強する理由
- 著者:藤原和博
- 発行所:朝日新聞出版
- 2008年10月30日発行
目次情報
- はじめに この本を読んでくれているキミへ さあ、今こそ、遊びまくれ
- その1 学校じゃ教えてくれない!「遊び」と「勉強」の、深~いカンケイ
- 遊ぶことで「最強そうび」がゲットできる!
- 最強そうび その1 何かをやるときのエンジンになる「集中力」
- 最強そうび その2 何でもスイスイできるためのチカラ「バランス感覚」
- 集中力とバランス感覚があれば、何でもできる!
- 「あたらしいよのなか」がキミを待っている!
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- レベル1 先生の「キャラ」をつかめ!
- レベル2 授業で、だれが当てられそうか予想しよう!
- レベル3 次の授業に「ヤマ」をはろう!
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著者略歴
藤原 和博(ふじはら・かずひろ)
1955年生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。
東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。
93年からロンドン大学ビジネススクール客員研究員、同社初のフェローとなる。
98~99年、全く新しいタイプの社会の教科書『人生の教科書よのなか』、『人生の教科書 ルール』(ともに宮台真司氏との共著、筑摩書房、図書館ブッククラブ推薦図書)を発表。
2003年4月から08年3月まで、東京都杉並区立和田中学校校長。
都内では義務教育初の民間人出身校長となる。
総合学習や選択社会科あるいは選択家庭科の授業を、社会人と先生が協力して行うことで、子どもたちの学ぶ意欲を高める「よのなか科」をスタートさせる。
08年には同中学校で進学塾講師による授業「夜スペシャル(夜スペ)」を始め、全国的に大きな反響を呼ぶ。
また、橋下大阪府知事の招聘を受け府特別顧問をつとめる。
近著は『つなげる力』(文藝春秋)。―藤原和博『キミが勉強する理由』(朝日新聞出版、2008)カバー
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