『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』|型にハマった方が自由!?

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『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』挿絵イラスト

こんにちは。整理が苦手なあさよるです。それは物の管理もそうですが、頭の中の思考の整理も苦手です。言葉にならないような衝動や、形のない「思いつき」があったとしても、それに言葉や形が適切に与えられない限り、なかなか運用ができません。

今回手に取った『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』は、頭の中の思考や、会議、本の内容など、とりとめもないものを紙に書き出すことで目に見えるようにし、他の人に伝えることを目的とした内容です。最終的にはプレゼンテーションの資料作りにも転用できるノウハウです。新社会人や学生向にオススメです。

誰でもできるシンプル思考術

本書『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』は、誰でもできる思考をシンプルにまとめる思考術の本です。ですから、新社会人や学生が読者の対象です。あるいは、新人や学生に思考術を教える立場の人にも役立ちます。

頭の中のゴチャゴチャを書き出す

本書ではまず、ゴチャゴチャとたくさん書き込んでいることと、深く思考することは関係がないことが示されます。もっと言えば、ゴチャゴチャ分かりにくいものよりも、シンプルで一目で見てわかるくらいそぎ落とされた思考の方が、鋭く、また他人にも伝わりやすいのです。学校教育では、ノートをびっしりと取る方が、ノート点が得られるのとは対照的です。

また、話の核である〈論点〉を自力で見つけ出さねばならないのも、学校での勉強とは違うところです。この論点を見つけ出す方法は「Sの付箋」という付箋を使った思考法が紹介されています。「Sの付箋」とは、付箋に5つの要素を記入して、問題や課題を整理します。

「Sの付箋」に記入する5つの要素

「誰の?」
お客さんや対象となるターゲットを記入します。要は「誰のため?」に今回の企画を立てるのか、問題解決を実施するのかその対象者の姿を明確にし、ここに記入します。

「何が?」
その対象者の現状をここに記入します。現状とは、「お客さんが今どんな悩みを抱えているのか?」、「お客さんが困っていること」、「お客さんがこうありたいと思っていること」など、お客さんの今満たされていないニーズやウォンツをここに記入します。

「どのようにして?」
お客さんの満たされない何がどのように解決されていくのか、解決策をここに記入します。

「どうなった?」
解決策が実行された結果、どんな未来が訪れるのか、理想の未来の姿をここに記入します。

「で、要は何がいいたいの?」
以上のことを踏まえて、「要は、結論は何か」を明確にします。今回の提案のコンセプト、メッセージは何か、ここに記入します。

p.31

「Sの付箋」に記入すると、3つのSが見えてきます。
その3つとは、

・「Solution(問題解決)」
・「Story(物語)」
・「Simpe(シンプル)」

です。
これをあらかじめ記入しておくことで、
お客さんの抱える問題がどのように解決「Solution(問題解決)」し、どのような理想の未来がやってくるのかが一連の物語「Story(物語)」として描き出されるので仕事の見通しが立ち、モノごとを「Simple(シンプル)」に整理できます。
Sの付箋を使って仕事をこんしていくことで、結果的にあらゆるモノごとは「Success(成功)」に導かれてゆくのです。

p.33-34

Sの付箋を使うことで、3つのS「Solution(問題解決)」「Story(物語)」「Simple(シンプル)」が導き出され、その結果「Success(成功)」に辿り着く一連の思考法を「Sの付箋」と呼ばれ本書で紹介されています。

『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』挿絵イラスト

紙の上でまとめる

本書『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』ではタイトル通り、「紙の上」に書き出し思考の交通整理をします。メモ術やノート術など、世に様々ありますが、本書ではポケットサイズのノートの見開き2ページを16分割したメモ推奨です。

16分割メモは、

メモ帳の「機動性」、ポストイットの「ブロック単位のメモ」、ノートの「作業性」の3つのいいとこ取りをしたもの(p43)

と紹介されています。漠然と、真っ白の紙にアイデアを書き出せと言われても困るもの。ある程度「枠」が用意されている方が、その枠を埋めてゆく作業として進められ、アイデアが出やすい環境になります。ここでは、3色ボールペンを使ったメモがオススメされています。

この見開き16分割ノート術は、ブロック単位でメモを取ってゆくので、パワーポイントの資料をまとめてゆくようにメモを発展させてゆけます。これは、逆に言うと、メモを取りながらパワポ資料の段取りができてしまうのです。

読書術にもノートは使える

資料となる書籍を読むときにもノートは使え、「キラー・リーディング」という名前で紹介されています。この場合は、ノートの見開き左ページを16分割し、右ページは1つの問と3つのキーワードを抜き出すために使います。

まず「問い」を立てます。「問い」とは、その本を読んで自分が得たい目的を1つ明確化するのです。それをノートの右ページに書き込みましょう。続いて16の「キーワード」を書き出します。キーワードとは、問いを捕まえるためのアンテナです。本のページをペラペラとめくりながら、あらかじめキーワードを抜き出しておきます。

そこから読書がスタートします。すでに問いは立て、キーワードを抜き出すために軽く中身が頭にはいった状態で読みはじめるので、一気にザっと目を通す程度で大丈夫です。

これは、読書を楽しむための読書ではなく、「何時までに何冊の本を読まなけれなばない」といった、制限時間付きの資料読みに適しています。

この読書法は、最終的に本の内容を1分で他人に伝えるところまでレベルアップしてゆきます。まずは、「とりあえず15分」キラー・リーディングでの読書を試して慣れておくことを推奨されています。

会議に、プレゼンに

『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』では、頭の中の思考を吐き出すのみならず、交通整理しながら他者と話し合いを持つためにも使えます。すなわち、会議をもっと有益にするためにも使えるのです。「マッピング会議」を名づけられ、マップ、地図を描くように話し合いを進めます。

1 まん中にテーマ(問い)、
2 そこから軸となる論点があり、
3 論点ごとに議論が展開され、
4 結論(答え)が導かれる
5 Next Stop(対策・アクション)に落とし込む

という流れです。会議の参加者でなくても、この会議が何のテーマで、いくつ論点があり、それぞれどんな結論になったのかをひと目で把握できます。

p.114

まん中にテーマをどーんと書き、まずは右上に〈論点1〉、右下に〈論点2〉、左下に〈論点3〉、左上に〈Next Stop〉と、時計回りに話をした順番に書いてゆきます。だから、後から会議に参加しなかった人が見ても、どのような順番で会議が進んでいったのか分かるのです。

本書のノート術は、プレゼンテーションの「ストーリー」を作る際にも役立ちます。プレゼンストーリーは「何が?」「どのようにして?」「どうなった!」の3幕構成です。これらは、最初に紹介した「Sの付箋」で既に明確になっていることですから、あとは資料を用意するだけなんですね。

ロジカル3兄弟

本書でロジカルシンキングについて、「ロジカル3兄弟」に例えて紹介されています。長男の「1メッセージ」は、ズバリ一言で感想を言います。「2W1H」の次男は、What、Why、Howを使って「何を」「なぜ」「どうやって」と説明します。「3つの法則」を使う3男はなんでも「○○を勧める理由3つ」「△△が他と違う点3つ」と、なんでも3つにまとめて話します。この1・2・3の三兄弟を使って話をまとめましょう。

枠組みがある方が、のびのび考えられる

本書『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』では、頭の中にあるゴチャゴチャとした思考をスッキリ紙に書き出す方法や、欲しい情報を本の中から効率よく探し出す方法や、効率的な会議を進める方法など、ノート術に留まりません。

何もないところに、ただ漠然と「話しをせよ」「思考せよ」「アイデアを出せ」「問題を提示せよ」と言われても、焦点が定まらず論点がぼやけてしまいます。反対に、ある程度枠組みが用意されていて、それに当てはめながら話題を展開してゆく方が、視点がズレず、最後までテーマを把握して進められます。白紙で何もない状態の方が、自由でのびのびとやれるような気がしますが、実際は逆なんですね。しっかりと骨組みが用意されているからこそ、その枠を利用して自由に考えることができるのです。

そのためにはまず、適切な「枠組み」を用意しなくてはなりません。枠が間違っていては、そこに当てはめるテーマすべてがあらぬ方向へ進んでしまいます。本書『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』は、新社会人や学生など、これから自分で問題を見つけ、自分で思考を深める訓練を始める人に、入門書として良いと思います。実際に手を動かして、やってみましょう。

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ノート術・メモ術の本

すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

  • 作者:高橋政史
  • 出版社:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売日: 2011年04月

目次情報

まえがき

第0章 紙1枚で整理するとはどういうことなのか

整理とは、複雑なものをシンプルにすること
本書で扱う7つのフォーマット

第1章 思考力・仮説力を磨きあげるSの付箋

論点を整理すればどんな難題も秒速で片付く
「Sの付箋」で仕事の設計図を描く
付箋1枚で仕事はどこまで効率的になるのか

第2章 インプット・アウトプットの効率を劇的に高める16分メモ

ただのメモ帳を強力なデータベースに換える
16分割メモのつくり方

第3章 本を1冊15分で読むキラー・リーディング

60冊の本を3日で読みこなす
「キラー・リーディング」4つのステップ
ドラッカーの『経営者の条件』をキラー・リーディングする
キラー・リーディングで情報を構造的に読み解く

第4章 いらないものをシンプルに捨てる1枚引き継ぎマップ

いらないものを見極める「シンプルリスト」づくり
10分で新人にも業務を任せられる「1枚引き継ぎマップ」
「1枚引き継ぎマップ」のつくり方
マインドマップソフトを使おう

第5章 会議時間を半分にするマッピング・コミュニケーション

話の地図を持てば、議論のポイントをはずさない
マッピング会議のやり方
なぜ、マップが必要なのか

第6章 言いたいことが誰にでもつ伝わる3つの型と1・2・3マップ

トヨタ式のコミュニケーション、「全部を今ここで話してくれ」
ロジカルに伝える3つの型
複雑なこともやさしく伝わる「1・2・3マッピング」

第7章 どんな相手も納得させる物語プレゼンテーション

話の説得力はストーリーが生む
物語プレゼンテーションの5つのポイント
ストーリーは3幕構成でつくられる
オープニングとエンディング、「何が」「どうなった」を設定する
第1幕は「現状」「変化」「問い」で引きつける
第2幕では「3つの階段」を盛り込む
いいプレゼンテーションはひと言で伝えられる
ストーリーはSの付箋でつくる
ケーススタディー1 リゾート・ホテルの新規事業
ケーススタディー2 リゾート・ホテルの再建計画

あとがき

高橋 政史(たかはし・まさふみ)

クリエイティブマネジメント株式会社代表取締役。仕事が紙1枚でまとまる思考整理術「1枚シンプル思考法」の設計者。
1967年、群馬県高崎市生まれ。メーカー勤務時代3tトラック1台分の営業資料を畳4畳半ほどにスリム化。その後、香港のマーケティング会社のCOO(取締役)を経て、戦略系コンサルティングファームにて経営コンサルタント。現在、スキルのない社員でも即実践できる武器「1枚シンプル思考術」の設計・導入のコンサルティングおよび研修を実施。主な導入実績は、IT企業、金融機関、通信会社、商社、証券会社、外資系金融機関、自動車メーカー、事務機器メーカー、通販会社、ホテルチェーン、流通企画、外食チェーン、小売、精密機器メーカー他、100社を超える。著書『マインドマップ問題解決』『マインドマップ会議術』(ともにダイヤモンド社)。
クリエイティブマネジメント公式サイト http://www.creative-management.jp

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