傲慢で非生産的な『自分でやった方が早い病』は嫌われ者?

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思い上がりの非生産的な「自分でやった方が早い病」。

後輩もいなけりゃ師匠もいない!?

「アイツが悪い!」とイラついた記憶と反省

あさよるは以前、知人に仕事をお願いするも、上手くやりとりが出来ず、とてもイライラしてしまったことがありました。

業務の内容と、納品のスケジュールを知らせ、「あとは分からなかったら質問してくるだろう」とノータッチでした。納品日の前日になり、「納品日を先延ばして欲しい。業務をこれから始める」と連絡が着て、苛つきました。

当時「相手が一方的に悪い!」としばらく腹が立っていましたが、今になって思えば、あさよる側の指示も適切ではありませんでした。コミュニケーションも面倒がり、十分に取っていませんでした。

「人に仕事を任せる」というのは、難しいのだなぁと反省しました。

でもその時、心のどこかで「やっぱりあの人はデキない」「自分だったらできたのに」「自分で全部やればよかった」と内心思い上がっていたように感じます。

『自分でやった方が早い病』をAmazonランキングで見つけ、「自分のことだ……」とタイトルを見ただけで反省モードになってしまいました。

「自分でやった方が早い病」は傲慢で非生産的だった……

「自分でやった方が早い病」とは、

「まわりの人への任せ方がわからない」「いい仕事があがってこないから任せたくない」「教える時間がないから自分でやる」――。
これが「自分でやった方が早い」という病です。病が悪化すると、待っているのは“孤独な成功者”の姿です。「お金はあるが、つねに忙しくて、周りに人がいない」「仕事の成功を一緒に喜ぶ仲間がいない」。それは本当に「幸せ」なのでしょうか?

小倉広『自分でやった方が早い病』

周りに優秀な人材がおらず「自分でやった方が早い」と、次から次へ仕事を背負い込んでしまう人の病です。

部下たちの世話焼きで、面倒を見てやっているのに、自分の周りはデキないヤツばかり。いつも結局、自分一人がバリバリ働いてやらないと、仕事が終わらない。

……と思っているのは自分だけ。周りの人からは「傲慢」「自分勝手」「目立ちたがり」などなど疎まれているかも。

あさよるも結構、「自分でやった方が早い」と思ってしまう方なので、ズバズバと自分の傲慢、思い上がりを暴かれ指摘され、なかなか胸の痛い本でした……。

が、自分が陥ってしまいがちな欠点を、ここまで的確に突かれることもそうそうないので、糧にします(´・ω・`;)

「自分でやった方が早い病」罹患者の傲慢

「自分でやった方が早い病」罹患者の本音って、自分がイチバン!自分がヒーロー!自分がサイコー!

自分スゴイ!p( ̄^ ̄)q エッヘン!!

これに尽きるんですよね……。

自分こそ至高。それに比べると周りのヤツらは自分以下……その思い上がりにはまり込んでいます。これも、若い頃はいいのかなぁと思います。学生や新人が「自分スゴイ!」「やればできる!」と思い込んでいるのは、むしろ初々しさに思えます。

しかし、次第に組織の中の立場が変わって来始めると、そうも言っていられなくなります。チームで成功を目指すのですから、一人で奮闘していても成果が上がらないんですね。

結論として、「自分でやった方が早い病」を患うと、何をするにも遅く、成果も小さくなってしまいます。

後輩を育てない「自分でやった方が早い病」の非生産性

いつまでも、自分がイチバン!と思っている限り、出世の道は閉ざされています。

なぜならば、裏方業に周り地味な仕事を果たせないかぎり、後輩の育成は不可能だからです。

いつまでも自分が表舞台に立ってスポットライトを浴びていては、後輩、部下たちは常に光の当たらない場所にいることになります。そんな状況、ヤル気も出ないし、上司へも、会社へも思い入れなんて生まれません。

結局、全体の士気が上がらず仕事が進まないので、さらに「自分でやった方が早い」と病に拍車がかかってしまいます。

失敗から学ぶチャンス、奪ってない?

「自分でやった方が早い病」の最大の欠点は、人から失敗するチャンスを奪ってしまうことです。

ご存知のように、人間は失敗したときにこそ、大きな学びや成長があります。失敗を重ねることで経験値が上がり、大きく飛躍してゆくのです。

しかし先回りして、他人が失敗するより先に「自分でやった方が早い」と、仕事を取り上げてしまったら……その人には延々と学びのチャンスが回ってきません。

さらに、途中で仕事を奪ってしまうと、「最後までやり遂げる力」まで剥奪されてしまいます。

「自分でやった方が早い病」罹患者は、人材を育成しません。利己的な上、非生産的なのです。

師匠がいない「自分でやった方が早い病」患者の寂しさ

自分スゴイ!と思い上がってしまう一因は、師匠が不在であることも関係します。

師匠というのは、いつでも誰にでも心のなかで弟子入りすることが可能なのです。自分のメンターを設定することで、未来の自分像を明確にできることもあります。

師匠のいない「自分でやった方が早い病」患者は、それだけ世間知らずで、人を見る目が育っていません。部下や後輩、年少の子供たちにだって、尊敬すべき一面を誰もが持っています。

極論を言えば、自分以外のすべての人が、自分の師匠なのです。

にも関わらず「師匠がいない」ということは……学びの機会、成長のチャンスがいつまでも訪れないということです。

無知な人ほど自分を過信する

「無知の知」という言葉があるように、知識が見聞が広まるほど、自分の無知、小ささを知るものです。

反対に、知識が乏しく、勉強の出来ない人のほうが、自分の力を過信しているそうです。

自分もそうなっていないか、再確認しようと思いました。

アラサー会社員にオススメ

『自分でやった方が早い病』は、部下ができ、もう新人とは呼ばれることはない20代後半から30代にかけて、アラサーの会社員に向けて描かれた書籍です。

丁寧に話しかけるような文体がやさしく、読みやすい内容でした。

しかし、そこで語られるのは的確すぎて辛辣にも感じてしまいます。自分の傲慢さや思いあがり、愚かさが浮き彫りになり、「穴があったら入りたい!」と恥ずかしくなってしまう箇所もありました。

「人に仕事を任す」立場にある人にも

さらに、人を雇う立場にある自営業者やフリーランスにも、当てはまる内容です。

「自分でやった方が早い」という思い上がりは、結局は自分の成功を逃してしまう原因に。早急に改善せねばならない問題です。

自分でやった方が早い病

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

  • 作者:小倉 広
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2012-05-25

目次情報

はじめに 「自分でやった方が早い」という病の恐ろしさ

デキる人、優しい人に多い「自分でやった方が早い」という考え
新人リーダーに多い「自分でやった方が早い病」
「自分でやった方が早い」と思っているときが人生のピーク
病を克服すると本当の成功、本当の幸せがやってくる

第1章 病が進行すると「孤独な成功者」になる

悪化すると1 「孤独な成功者」になる
悪化すると2 仕事を抱え込み、病気も抱え込む
悪化すると3 つねにストレスを抱えた状態が続く
悪化すると4 つねに「誰かのせい」にして生きることになる
悪化すると5 気づけばまわりから人がいなくなっている
悪化すると6 笑顔と余裕が消える
悪化すると7 「まわりは見えない」と思っている人ほど「使えない」と思われている
悪化すると8 いつまでたっても優秀な人が現れない
悪化すると9 誰も信頼できなくなる誰にも信頼されなくなる
悪化すると10 仕事が途切れると、年賀状も来なくなる

第2章 病と克服すると「幸せな成功者」になれる

克服すると1 1人の100歩ではなく、100人の1歩で進むことができる
克服すると2 まわりがデキる人だらけになり、大きな仕事ができるようになる
克服すると3 友達もお金も増える! 昇進、昇給できる!
克服すると4 働くこと自体が幸せなことと思えるようになる
克服すると5 より大きな幸せを感じることができる
克服すると6 「自分がほめられるための仕事」ではなく、本当の仕事ができる
克服すると7 卑しい損得勘定から卒業して、心の充足感が味わえる

第3章 病の根本にある「自分さえよければ」という考え方

病の原因1 病の根本的な原因は、利己主義で仕事をしているから
病の原因2 「人のため」と言いながら自分の利益しか考えていない
病の原因3 「させていただく幸せ」を知らない
病の原因4 「自分でやった方が早い」の裏側では誰かが泣いている
病の原因5 まわりの人と一緒に成長しようとしていない
病の原因6 小善は大悪に似たり 大善は非情に似たり
病の原因7 基本的な教育ができていない
病の原因8 トータルパワー一定の法則
病の原因9 エースピッチャーの快感に浸りマネージャーの喜びを知らない
病の原因10 「任せる」に関する3つの大きな勘違い
病の原因11 「自分でやった方が早い病」になるのは「自分大好き人間」
病の原因12 自分を過大評価するという愚かさ

第4章 「自分でやった方が早い」への処方箋

処方箋1 まず痛い目に遭う
処方箋2 体質を改善しないと病は治らない
処方箋3 「結果を出すこと」と「人に任せて育てる」はまったく別物
処方箋4 「任せる」とは「失敗させる権利を与える」こと
処方箋5 周りの人をヒーローにする
処方箋6 「任せる」は「仕事をふる」ことではない、と理解する
処方箋7 インフォーマルで権限を与える
処方箋8 仕事を任せてもいい人の特徴を知っておく
処方箋9 自分のコピーを作ろうとしてはいけない
処方箋10 「つぶやき戦術」で軌道修正をする
処方箋11 「押し」と「引き」で上手に任せる
処方箋12 言いたいことは3つだけ言う
処方箋13 計画と検証は一緒にやり、実行は一人でやってもらう
処方箋14 仕事を任せたい人、お願いしたい人とコーヒーを飲む
処方箋15 あえて70点のマニュアルを作る

第5章 「自分でやった方が早い病」が再発しないやめに

再発防止1 我慢は長続きしない
再発防止2 人に働いてもらうには「己の生き様」が問われる
再発防止3 他人を変えるのではなく、自分が変わる
再発防止4 心と行動の両面から変えていく
再発防止5 心を変えれば、行動が変わる
再発防止6 行動を変えれば、心が変わる
再発防止7 鉢植えに水をやると、我欲がなくなる
再発防止8 人生で大事なことは、師が教えてくれる
再発防止9 一人の師から多くの師に広がってゆく
再発防止10 近くから見たら、富士山は美しく見えない
再発防止11 自分以外は全員「師」である
再発防止12 陰徳を積むことで、人として成長する

おわりに 「自分でやった方が早い」の正体は「自分でやった方が遅い」

小倉 広(おぐら・ひろし)

1965年新潟県生まれ。青山学院大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。企画室、編集部を経て組織人事コンサルティング室課長に。2003年、株式会社フェイスホールディングスおよびフェイス総研代表取締役就任。リーダーシップ開発に特化したコンサルティングおよび教育研修を行っている。以前は、あらゆる仕事を抱え込み、そのストレスからうつ病を患ってしまったこともある。短期的な成果よりも、任せて育てることの大切さを痛感し、真のリーダー像を模索。現在は悩みに答えるリーダシップの専門家として知られている。著書に『任せる技術』(日本経済新聞出版)、『あたりまえだけどなかなかできない33歳からのルール』(明日香出版社)など多数。

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