
一年で一番日の短い冬至も過ぎ、これからどんどん日は長くなってゆきますが、冬の寒さはこれからが本番です。
落語に「かぜうどん」という冬の噺があります。寒い真冬の夜中、うどん屋が屋台を担ぎ、街を歩きます。「冬の寒い日は温かいうどんはよく売れるのに、これだけ寒いと人がいないから商売にならない」と小言を言います。よっぽど寒い夜なのでしょう。
この噺、上手な落語家さんが言うと、なんともお腹の減る噺です。寒い深夜に食べるうどん……食べたくなってしまうんですね。
落語会の帰りはうどん屋へ……というコースを辿ることも珍しくありません。
大阪の落語ではうどん屋の登場する噺がいくつもあります。うどん屋は、屋台を“担いで“商売をしてるのですが、その屋台の形状をずっと想像できずにいました。
江戸の風俗をイラストや写真で紹介する学研『図説江戸〈4〉江戸庶民の衣食住』で、屋台の蕎麦屋の写真が掲載されており、これを見てはじめて、落語家さんがやっている仕草がわかりました。
うどん屋の屋台は、一本の棒の両端に大きなケースを付け、肩に担ぎます。上部には屋根が渡してあって「屋台」になっています。
これを発見しますと、時代劇を見ていてもよく蕎麦屋、うどん屋が登場していることにも気付きました。
時代劇をよく見る方はよくご存知のことなのかもしれませんね。
「江戸の◯◯」という書籍を読む時に気をつけないといけないのは、「江戸」という“地名”を指していることを留意しなければなりません。「江戸時代」のことを書いているのではなく、「江戸の町」の風俗が紹介されているので、江戸の蕎麦屋の屋台は、あくまで江戸の町での風俗、ということでしょう。注意をしていれば、参考に閲覧するのは、有意義なことではないでしょうか。
「かぜうどん」……深夜の夜食にご用心
「かぜうどん」は、現在風に言えば「かぜチャルメラ」とでもなりましょうか。冬の夜、チャルメラの音を聞くとついつい温かいラーメンの一杯でも……なんて心が動きます。
「夜食」というのは、なんとも魅惑的な言葉でしょう。
私の場合、寝る前に温かい飲み物を一杯いただくのですが、いつの頃からか、お茶うけにチョコレートを一口……が習慣になってしまっています。
冷静に考えると、ダイエット的にも、消化器的にも良くない習慣ですね……今夜から控えます。
太るしくみ、痩せるしくみを理解すれば……
小林 一行『なぜ一流の男の腹は出ていないのか?』は男性向けの書籍ですが、女性にとってもありがたいダイエット指南書です。特に働く男性・女性にとって実践的内容だからです。
外食や飲み会、今の時期は特に忘年会に新年会と、外で飲み食いすることが多く、どうしても体重は右肩上がりに……。
「痩せている人は痩せる習慣を持っている」などと言いますが、長年“太っている人”である私は、その意味を分かっていませんでした。「痩せ体質」なんて言葉もありますが、多少は生まれ持ったものはあるでしょうが、長年の日々の積み重ねに匹敵するものではありません。
ジョギングをしたりジムに通ったりと、取り立てて特別なことをせずとも、痩せやすい人は痩せるのです。まさに「習慣」。
本書はその、痩せ習慣を普段の生活の中に落とし込むことに特化したダイエット指南書なのです。
全く同じ生活をしていても、意識が変われば日常がスポーツジムであり、いつもの居酒屋も健康食レストランに変わる。太るメカニズムやダイエットのカラクリを理解すれば、特別なことをせず今まで通りの生活でOKなんですね。
人生に彩りを。たまにはジャンクフードも食べたいよね
一旦「痩せる習慣」モードに突入してしまえば、落語会帰りのうどんも、夜中のラーメンも怖くない!?
生きていれば、落語会帰りにうどんを食べたり、深夜の夜食にラーメンを食べることもまた、人生の彩りです。「○時以降は食べてはいけない」「△△は食べてはいけない」「□□したら◇◇しないといけない」と制限つきのダイエットは一生続けないと意味がありません。そしてそのダイエットと引き換えに手に入る人生は、味気ないもののような気がします。
ダイエットには、理科や家庭科の知識をおさらいして、生物や科学の勉強が必要のようですが、本書は上手いこと今すぐできることをまとめてくれています。
時にジャンクなマクドナルドのハンバーガーも、出前のピザとコカ・コーラも、チャーハンセットも、チキンラーメンもレトルトカレーも、食べたっていいじゃないか。
たまにはね。
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なぜ一流の男の腹は出ていないのか?
- 著者:小林一行
- 発行所株式会社かんき出版
- 2014年3月20日
著者略歴
小林 一行(こばやし・いっこう)
◉――ダイエットセラピスト。日本ダイエット健康協会認定インストラクター。国際メンタルセラピスト協会認定メンタルセラピスト。
◉――大学卒業後、IT企業に就職するが、仕事や人間関係の悩みからうつ病を発症。そのストレスで太りはじめる。さらに過食症も併発し肥満がエスカレート、体重が60kgから80kgに。その後、うつが改善したことでダイエットにも着手するが、何度も挫折。それでも自分を変えたいと、身体のしくみを徹底的に勉強し、食べる順番を変える、勤務時や仕事中にできる筋トレを行うといった、簡単な生活改善と、継続のためのメンタル改善を重視した独自のダイエット法により、半年で14kg、2年で通算25kgのダイエットに成功した。
◉――意志の弱い自分でもできたダイエット法を、肥満で悩む多くの人に伝えたいという使命感から一念発起し、2010年、日本ダイエット健康協会認定インストラクターと、国際メンタルセラピスト協会認定メンタルセラピストの資格を取得。同年よりブログ、メルマガ執筆、セミナー、ダイエットの個人コンサルティングを展開している。
◉――著書に『何度も挫折したあなたに贈る 人生最後のダイエット』(朝日新聞出版)、『飲み会を断らない! 究極のオヤジダイエット』(自由国民社)などがある。雑誌への寄稿、ラジオ出演多数。
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