『スタンフォード式 最高の睡眠』|充実した仕事・私生活のための

『スタンフォード式 最高の睡眠』挿絵イラスト 40 自然科学

こんにちは。寝るのが下手な あさよるです。気を抜くとすぐに夜更かし生活に突入しちゃいます。一日の1/3もの時間、寝て過ごす私たち。それは「人生の1/3寝てる」という、途方もない話。寝るのが下手というのは、生きるのが下手なのかもしれない……。若い頃は寝なくても動けたけれども、最近「寝れない」がコンプレックスになりつつあります……。

あさよるネットでもこれまで睡眠に関する本は紹介してきました。あさよる自身も睡眠に対して意識も変わりつつあります。今回は『スタンフォード式 最高の睡眠』を手に取りました。著者はスタンフォード大学の「世界最高の睡眠研究所」の西野精治さん。日本人が日本国内向けに書かかれた書物です。

最初の90分間が勝負!

睡眠で肝心なのは、睡眠導入して最初のノンレム睡眠。最初のノンレム睡眠の質が、その後の睡眠の質を決めるんです。いかに深いノンレム睡眠に導入できるかが勝負。そのためには、寝る前の習慣だけでなく、覚醒時の習慣が関わってきます。

そう、睡眠の質は覚醒時の質であり、その覚醒時の質は睡眠の質なのです。「上手く眠れない」「睡眠が足りない」のをなんとかしようとすると、長い時間が必要です。「週末に寝たら治る」とか、軽い問題ではないモヨウ……。

また、「睡眠は90分単位で取ると良い」という話がありますが、今の睡眠研究的には否定されているようです。確かにレム睡眠とノンレム睡眠のリズムはありますが、人によって異なるので「90分」というのは間違いらしい。自分のリズムを見つけるのが大事なんですね。

覚醒を制せよ!

日本では睡眠に満足している人が少なく、日本人は「睡眠偏差値」が低いそうです。一方でアメリカでは睡眠に関する科学的な研究が進むとともに、睡眠の重要性が認知され、社会的なリーダーシップが必要な人や、意識の高い人たちは「睡眠の質」にまで気を配るようになっています。睡眠の質が覚醒時の質を決めるのですから、「睡眠にこだわる」のは当然ですし、睡眠に無頓着であることは、覚醒時のパフォーマンスに無頓着とも言えます。

日本でも、プロ野球球団に睡眠についてアポをとっても、はじめは門前払いだったそうです。しかし、睡眠の重要性について説明すると、納得され受け入れられた経緯があるそうです。日本でも、プロフェッショナルな世界では、理にかなっていれば受け入れられる土壌はあるようです。

もし、自分が今のパフォーマンスに納得していないなら、覚醒時の調整のみならず、「寝る」「休む」スキルこそアップさせるべきなのかもしれません。そのためにはまず、正しい知識を。

巷にあふれている睡眠に関するメソッドは、古い知識であることが多いようです。90分サイクルの話もそうですし、「ブルーライトを見ると睡眠を阻害する」というのも、厳密には「睡眠前にテレビやスマホを操作して“興奮してしまう”」ことが、良質な睡眠を妨げているそうです。

関連記事

本書『スタンフォード式最高の睡眠』は睡眠に関する考え方や、実生活と睡眠の関わりについて重きが置かれている印象。具体的な睡眠導入方法については、別の書籍を当たる方がわかりやすいでしょう。

睡眠に関する本

脳科学の本

休み方の本

働き方の本

スタンフォード式 最高の睡眠

目次情報

プロローグ 「ぐっすり」を追求した究極のスタンフォード・メソッド

・世界一の睡眠研究所はスタンフォードにある
・「たくさん寝る」はベストな眠りか
・「最強の覚醒」をつくる睡眠、「最高の睡眠」をつくる覚醒
・スタンフォードで見つけた「睡眠の法則」
・眠りが「最強の味方」になる人、「最恐の敵」になる人

0章 「よく寝る」だけでパフォーマンスは上がらない

知らぬ間にはまる「眠りの借金地獄」
・「眠りの借金」は借りていなくてもたまる
・飲酒運転より危険な「脳の眠り」
・世界一「睡眠偏差値」が低い国・日本
「理想の睡眠時間」は遺伝子で決まる
・2か月眠らない動物がいた!
・人は眠れないとどうなる?
・ナポレオンの子はナポレオン!? 「ショートスリーパー」は遺伝だった!
・「寝だめしたい」は脳からのSOSサイン
・「眠りの借金」が寿命を縮める
・眠らない女性はどんどん太る
・バスケットボール選手のシュート力はなぜ劇的に上がったか
「たっぷり睡眠」でも脳は不満足
・「眠りの返済」は難しい
・週末の寝だめは効果があるのか?
「黄金の90分」で最高の脳と体をつくり上げる
・世界のエグゼクティブは始めている「睡眠メンテナンス」
・「最初の90分」を深くせよ!
・寝始めがつくる「最強ホルモン」
・「Better than nothing」の法則

1章 なぜ人は「人生の3分の1」も眠るのか

世界のエグゼクティブが大事にする「眠りの共通点」
・トップアスリートほど「眠りへのこわだわり」が強かった!
・「睡眠ジャンク」から脱出するには
・知識が脳に眠りをもたらす
睡眠に課せられた「5つのミッション」
・真夜中、脳と体では何が起きているのか?
・睡眠ミッション①脳と体に「休息」を与える
・睡眠ミッション②「記憶」を整理して定着させる
・睡眠ミッション③「ホルモンバランス」を調整する
・睡眠ミッション④「免疫系」を上げて病気を遠ざける
・睡眠ミッション⑤「脳の老廃物」をとる
・「寝る前の目薬」で目は良くなる?
睡眠の終着駅「夢」の不思議
・夢はたくさん見たほうが良かった!
・「見たい夢」は見られるのか?
眠りの質が「覚醒レベル」をこう決める
・「睡眠不満足音」はこんなに損している!
・あなたの「眠りの質」はどうすればわかる?
・「致死率40%」なのに身近な睡眠障害
・いびきは「歯の悲鳴」?
・世界的研究者を変えた「睡眠力革命」

2章 夜に秘められた「黄金の90分」の法則

「8時間寝たのに眠い人」と「6時間寝てすっきりしてた人」
・なぜ「ウォッカを飲むオペラ歌手」は歌がうまいのか?
・目を閉じるとやってくる「スリープサイクル」
・レムのノンレムは90分周期じゃなかった!?
最初の90分が「黄金」になる3大メリット
・メリット①寝ているだけで「自律神経」が整う
・メリット②「グロースホルモン」が分泌する
・メリット③「脳のコンディション」が良くなる
少数精鋭の「睡眠部隊」を味方につける
・「どうしても資料を作らないと……」な夜の過ごし方
・なぜ年をとると眠れないのか?
「体温」と「脳」に眠りスイッチがある
・こうすれば、すぐに・ぐっすり眠れる!
・赤ん坊も知っている「体温のスイッチ」
・頭が睡眠モードに切り替わる「脳のスイッチ」

3章 スタンフォード式 最高の睡眠法

体温と脳が「最高の睡眠」を生む
・「よく眠れる人」と「眠れない人」の差はわずか2分
・なぜメジャーリーグは「体温」に注目するのか
・「会議室での遭難者」
・体温は「上げて・下げて・縮める」
睡眠クオリティを上げる3つの「体温スイッチ」
・体温スイッチ①就寝90分前の入浴
・すぐ寝るときは「シャワー」がベスト
・○○風呂なさらさらに効果アップ!?
・体温スイッチ②足湯に秘められた驚異の「熱放射力」
・靴下を履くと眠気が逃げる?
・体温スイッチ③体温効果を上げる「室温コンディショニング」
・「そば殻枕」で頭を冷やせ!
入眠をパターン化する「脳のスイッチ」
・机が変わったネズミは眠れない?
・「眠りの天才」は頭を使わない
・脳のスイッチ①「モノトナス」の法則
・「脳の関所」はこう突破せよ!
・脳のスイッチ②正しい羊の数え方
・逆スイッチ「貧乏揺すり」をすると眠れない?
脳にも「寝たくない」ときがある?
・そもそも、なぜ、人は眠るなるのか
・スタンフォード睡眠実験「1日がもし90分だったら?」
・「寝る直前」は眠くない?
・「明日早い!」ときの秘策はこれ!
・「眠りの定時」を厳守しよう!
・光は「見方」しだいで毒にも薬にもなる
・最高のパフォーマンスをつくる「覚醒のスイッチ」

4章 超究極! 熟眠をもたらすスタンフォード覚醒戦略

「どう起きているか」でぐっすりか否かが決まる
・睡眠と覚醒は表裏一体である
・「ぐっすり寝る人」は朝から違う
・スタンフォードが見つけた「覚醒のスイッチ」
・覚醒のスイッチ①光
・覚醒のスイッチ②体温
睡眠レベルをさらに高める「スタンフォード覚醒戦略」
・覚醒戦略①アラームは「2つの時間」でセットする
・覚醒戦略②「眠りへの誘惑物質」を断捨離する
・覚醒戦略③「裸足朝活」で覚醒ステージを上げる
・覚醒戦略④「ハンドウォッシュ」メソッドで目を覚ます
・覚醒戦略⑤「咀嚼力」で眠りと記憶を強化する
・覚醒戦略⑥とにかく「汗だく」を避ける
・覚醒戦略⑦「テイクアウト・コーヒー」で「カフェイン以上」を取り込む
・覚醒戦略⑧「大事なこと」をする時間を変える
・覚醒戦略⑨「夕食抜き生活」が眠りに響く
・覚醒戦略⑩「夜の冷やしトマト」で睡眠力アップ!
・覚醒戦略⑪「金の眠り」になる酒を飲む
・番外編 もう時差ぼけに悩まない! スタンフォード秘伝の海外出張術
・眠りにまつわる目の前の大きな「あの悩み」

5章 「眠気」を制する者が人生を制す

「睡魔」はあなたの敵か、味方か
・なぜ「夜以外」も眠たくなるのか
・「朝、目覚めが悪い」のはなぜ?
・ランチは「食べても」「抜いても」眠い?
・退屈な会議にやってくる「睡魔」の正体
睡魔に打ち勝つスタンフォード式「アンチスリーピング」メソッド
・アメリカ人が会議で眠気に襲われないわけ
・「覚醒ニューロン」をところん利用する
・噛めば噛むほど目が覚める
・冷たいものを持つと眠気が逃げる?
世界のトップががやっている超一流の仮眠術
・脳が劇的に回復する「眠たい」チャンスタイム
・超一流の「パワーナッピング」メソッド
・「ぐっすり昼寝」は脳にこんなに良くない!?
・「細切れ睡眠」ははたして有効か?
・ブルーマンデーを打破する「土日の睡眠法」
人生の3分の1を変えれば、残りの3分の2も動き出す
・睡眠にしかできない、これだけのこと
・「最高のギフト」を受け取るとき

エピローグ 睡眠研究の最前線「スタンフォード」で見つけたこと

・みんな患者予備軍?
・「興奮すると眠るイヌ」の発見
・ついにヒトで発生源を突き止めた!
・スタンフォードの睡眠研究の使命

主要参考資料一覧

西野 精治(にしの・せいじ)

スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)所長。医師、医学博士。

1955年大阪府出身。1987年、当時在籍していた大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学。突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぐ。

1999年にイヌの家族性ナルコレプシーにおける原因遺伝子を発見し、翌2000年にはグループの中心としてヒトのナルコレプシーの主たる発生メカニズムを突き止めた。

2005年にSCNラボの所長に就任。睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまで幅広い視野で研究している。

「睡眠の謎を解き明かして社会に還元する」を命題としており、多くのアスリートから支持されている「エアウィーヴ」の開発研究にも携わった。

2016年4月より一般社団法人良質睡眠研究機構の代表理事に就任。科学分野の人材育成への思いから、大阪教育大学付属高等学校天王寺校北米支部同窓会長も務めている。

本書が日本語での初著書になる。

1963年にウィリアム・C・デメント博士により創設された「スタンフォード大学睡眠研究所」は、世界睡眠医学を牽引しており、数多くの睡眠研究者を輩出していることから「世界最高の睡眠研究機関」と呼ばれている。

コメント

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