『独学という道もある』|道を踏み外すと……また別の道がある

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こんにちは。あさよるです。このブログを始めたのは「読書習慣を身につけたい」ことがきかっけでした。元々本を読むのは好きでしたが、社会人になってから忙しくて読書をしなくなり、いつの間にか「本が読めない」「集中できない」ようになっていました。このブログも、長続きしない予定で始めたのですがw、なんとか2年半くらい、毎平日一冊の本を読んで感想を投稿するという習慣がつきつつあります。

そう、社会人になると、忙しいんですよ。学生時代にやっていた習慣の多くがなくなってしまいました。習慣は失うとなかなか帰ってきません。その最たるものが「勉強」じゃないでしょうか。朝から夕方まで椅子に座って授業を受けて、家に帰って復習予習をして……って、よくそんなことできるもんだぜ!w

あさよるは、いざというときのために、前もって読書習慣や、勉強の習慣を身につけておいた方が安心できると思っています。だって、ピンチのときに本なんか読めないし、ヤバくなってから勉強できないもの! いざという時はもう遅い。「安心」のために勉強しよう。

自分で道を選ぶこと

本書『独学という道もある』では、「みんな」とは違う、「普通」じゃない道を選んだ人の体験記です。ただし、最初にネタ晴らししちゃいますが、みんなと違う、普通じゃない人生を歩む人は、意外と多いという体験を綴った内容でもあります。

著者の柳川範之さんはお父様の仕事の都合で、小学生の頃シンガポールで過ごし、日本の中学へ進み、高校生になる年齢の頃はブラジルで過ごしました。ブラジル時代に会計士の勉強をし、独学で大検を取り、慶応大学の通信教育学部で学びました。その後、東京大学大学院へ進学し、現在は東京大学の教授をなさっている方です。

変わり種の経歴だと思いますか? しかし、著者によると、慶応大学の通信課程で学ぶ人の年齢も経歴も様々で、東京大学大学院へ入学しても、いろんな経歴の持ち主が集まっていたそうです。もちろん、東京大学から大学院へ進む人が多いのですが、社会人を経験してから大学院へやってくる人もいます。

小中高と、周りと同じように学校へ出席し、進学していると、それ以外の道は閉ざされているように感じます。それ以外の道を選ぶことは「道を踏み外す」ことで「人生詰む」ことのように考えてしまいます。しかし、ふたを開けてみると、意外にも様々な経歴の持ち主が社会の中にいるんです。

自分で道を切り開く

本書は『独学という道もある』というタイトルにもある通り、「独学」のメリットデメリットが紹介されます。メリットはいつでもどこでも自分のペースで勉強できることですが、デメリットは、自分で勉強するモチベーションを保ち続けないといけないこと。そして、著者の場合はブラジルから日本の大学に在学していたので、資料集めに苦労なさったそうです。

独学は、自力でなんとかできる人にとってはとても有益。よい学び方ですが、かなりエネルギーが必要な学び方みたいですね。また、全日制の高校だと、勉強をサボったり授業をフケても、先生が怒ったり追試を受けさせられますが、独学ではそんなサポートもありません。

自分の道を自力で切り開くのは、大きな力が必要です。それが苦痛と感じるか、自由で良いことだと感じるか、自分次第……(–)>

道を踏み外す……と、別の道がある

本書『独学という道もある』は、10代の若い人へ向けられて書かれた本です。子ども時代は、横並びの学校教育を受けていますから、みんなと違う、人と違う選択をする機会もないし、それはとんでもなく悪いことで、恐ろしいことだと感じている人も多いでしょう。でも、万が一、道を外れてしまっても、そこにはまた別の道があるだけです。

著者の柳川さんは、お父様の仕事の都合という子どもにはどうにもならない事情で、変わり種な経歴を歩みはじめました。しかし、柳川さんはその環境で、自分のやるべきことをやり続けたんですね。人と違うからって、腐ったり、スネたりしてたら、マジそのまま「人生詰み」になる可能性もありますが、メゲてないのがすごいところ。

選択肢を増やそう

本書で度々挙げられているのは、外国の学校事情です。ブラジルでは、進学先としてアメリカや他の国の大学を考える人も少なくありません。また、子育てが一段落してから大学へ来る人や、経歴も年齢も様々です。著者の柳川さんが学んだ、慶応大学の通信教育課程でも、経歴も出身も様々な人と出会ったそうです。そして、東京大学大学院でも、社会人を経てから大学院へ入学する人もいました。

別に、小→中→高→大学→社会人だけが道じゃないし、一度社会人になったら二度と勉強しちゃいけないわけじゃないし、自分の好きなようになれば良いんです。

本書の最後に、選択肢を増やすこと大切さに触れられています。難しい時代です。この先どうなるかわかりません。誰も行く先を照らしてくれません。だからその都度学び続けないといけないし、嫌でも自力で「独学」という選択肢を常に持っていたいところ。

社会人だって、独学できる

本書『独学という道もある』は若い10代向けの本です。だから「独学という道〈も〉ある」なんですね。今のままの道を進んでもいいし、大勢と同じカリキュラムを選んでもいい。その中で、独学という道〈も〉あるよ、という提案です。今、自分の進路に迷っている人や、多くの人と違った道に進まざるを得ない人は、元気のでる体験談でしょう。

一方で、大人たちにも響く内容だと思います。一度社会人になっちゃうと、多くの人は傍に先生も師匠もいない人が多いでしょうし、教科書・参考書を開いて勉強する機会も減ります。その分、社会生活の中で実地で学ぶことが増えますね。でも、なにかのタイミングで「勉強したい」や「勉強しなければ」という事態に直面しても、「独学という道〈も〉ある」という選択肢は、勇気づけられるのではないかと思います。

社会人になってから、誰もが大学や大学院へ入学できるわけじゃないし、仕事や子育て、介護や病気や障害を抱えながら通学できる人も限られているでしょう。そのときに「独学という道〈も〉ある」というのは、「そりゃそうだな」と納得できるんじゃないでしょうか。

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独学という道もある

目次情報

道はたくさんある――高校へは行かないという選択

高校へは行かない生活/ブラジルでの独学のスタート/独学時代の一日の過ごし方/ブラジルで見た貧富の差/日系ブラジル人/いろいろな生き方、多様な価値観/シンガポールでの小学生時代/日本では浮いていた中学生時代/独学のメリットとデメリット/ブラジルでの目標/ふり返ると役に立った独学の経験/自分で勉強してみると選択肢が広がる/普通へのまっとうな道/自分の方に自由度のある選択を/窮屈なレールを実は誰も強制していない/能力も方法も人それぞれ

第二章 こんな勉強をやってきた――大検合格法

ノートは作らない/マーカーは引かない/テキストを二回読むようになる/問題集はやらない/大検合格のための勉強法/短めの目標を立てる/自分のペースで配分を考える/好きなことに集中できる/通信制大学を選んだ理由/大学通信課程も独学でスタート/大学通信課程での勉強/通信大学での友人たち/職業と勉強を気楽に結び付けてみる/とりあえず「仮」の目標があればいい/「他にいくらでも道はある」と考えながら走ればいい

第三章 いつでもやり直せる――通信大学から研究者の道へ

慶応の通信で経済学を学ぶ/自分に合った本を探すことが大事/大山道広先生との出会い/論文指導/東大大学院受験を考える/伊藤元重先生との出会い/日本に帰り、東大大学院を目指す/大学院試験/大学院での勉強/大学院に来る人びと/論文を書くということ/プリンストン大学で一年間学ぶ/大学院は方向転換の場所/受験勉強は一つの特殊な能力でしかない/世界での能力評価はまったく異なる/経済学の問題意識/今の経済社会状況を考える/活力のある社会のために/選択肢の広い世界に/温暖化、環境問題/閉塞感を突破する/少し大胆な改革案/大人の方々へのメッセージ

おわりに

柳川 範之(やなぎかわ・のりゆき)

1963年生まれ。慶応義塾大学経済学部通信教育課程卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。現在、東京大学大学院経済学研究科准教授。契約理論や金融関連の研究を行いつつ、自身の体験をもとに、おもに若い人たちに向けて学問の面白さを伝えている。著書に『戦略的貿易政策』(有斐閣)、『契約と阻止kの経済学』(東洋経済新報社)、『法と企業行動の経済分析』(第50回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)、『経済の考え方がわかる本』(共著、岩波ジュニア新書)ほか。

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