こんにちは。英語の勉強を再開した あさよるです。二日目でもう停滞してるんですけどね……。あさよるは語学がとても苦手で、苦痛でしかないのですが、それにしてもやはり言葉がわからないのは不便です。勉強しなきゃなあと気がかりな状況が続くくらいなら、勉強した方が楽かもしれません(と自分に言い聞かせている)。
今日読んだのは柳川範之さんの『独学勉強法』です。以前、同著者の『独学という道もある』を読み、とてもよい本だったので、同じテーマの本を探しました。結果、独学しようとしている あさよるにとって励ましと、ちょっとだけパワーが出るものでした。勉強って「時間がない」「難しい」「才能がない」とかそいういうんじゃなくって、ただただ「やる」か「やらない」かなんだなあと、苦笑い。
今、「生涯学習」や「リメディアル教育」に国も乗り出しています。いつまでも学ぶ意欲があることは良いことに思えますが、今後「学び続ける人」と「10代で勉強をやめる人」の間で格差が広がってゆくのかもしれません。独学は「物好きがする」ことではなく、結構「やらなきゃヤバイ」案件なのかもしれません。
変化が大きな時代は〈独学〉が必要
本書『東大教授が教える独学勉強法』は、大きな変化が続く時代だからこそ、常に学び続けなければならない現代人に向けて書かれた書物です。「勉強」は子どもだけがするものではありませんし、変化に対応するためあらゆる人たちが「独学」をしなければ、変化についていけない。切実です。
著者の柳川範之さんは、ご両親の仕事の都合で、シンガポールやブラジルで子ども時代を過ごしました。高校へは進学せず、独学で大検を取り、慶応義塾大学の通信課程へ進学、卒業します。その後、東京大学大学院へ進み、現在は東京大学経済学部の教授という〈風変わりな〉経歴をお持ちです。ご自身の独学の苦労や工夫を紹介しながら、「独学」の可能性を紹介されています。
もしこれまで思うように進学や勉強ができなかったなら「これから独学できる」というのは励みですし、なにより誰もが学び続けなければ、あっという間に変化に呑まれてしまうでしょう。
自分で疑って、考える
独学に限らず、勉強とは「自分の頭で考える」ことが重要です。日本の学校では小中高と、事前に答えの用意された問題が与えられ、「正解」を見つけるのが勉強でした。しかし、それはかなり特殊な例で、研究現場でも、仕事でも、答えなんか存在しない問いを立てたり、正解がないものごとに取り組み続けることがほとんどです。
東大の講義でも、教授の授業に学生たちは素直に聞き、疑問も異論もなくそのまま「納得」しちゃう人が多いそうです。そこで、柳川範之さんも、授業の中で学生に質問させたり、質問に答えさせる訓練をしているそう。読書をするとき、著者の話をそのまま信じるのではなく「疑いながら読む」ことや、「著者とケンカしながら読む」など、ただ丸暗記する勉強ではない独学が提唱されています。
また、「予め答えの用意された問題」を解くことに慣れ切っているため、課題本を一冊事前に読ませ「この本のおかしいところ、疑問に思うところを指摘せよ」と問題を出すと、後になって「正解を教えてください」と聞きに来る学生もいるそうです。「回答がある」ことに慣れていると「答えがない問題」が気持ち悪いんですね。
独学は、自分で問いを立て、自分で答えを探さないといけません。
神経質にならずマイペースで
さて、独学にあたって、一気に肩の力が抜けたのは「神経質にならなくていい」という助言でした。本を読んでも、「2、3割理解できたらいいや」と思えばいいし、根を詰め過ぎないのがコツだそうです。なので、完璧主義の人ほど独学は難しいのかも。反対に、テキトーにとりあえずやっちゃえる人の方が独学に向いています。これは、以前に紹介した『高速回転仕事術』でも紹介されていたことですね。細部まで完璧に理解することよりも、「まずは大雑把に全体を把握するため、とりあえず最後までやってみる(読んでみる)」ことが大切です。
また、「独学」でも、カルチャーセンターや、大学の講義などに参加して理解を深めることも推奨されています。今、「生涯学習」や「リメディアル教育」に国も乗り出していますし、独学しやすい環境は整いつつあると考えられますね。
「ノートづくり」をさせられるのも、小中高の学校での授業の特徴です。しかし、独学では先生からの「ノート点」を獲得する必要はないので、ノートも不要です。もちろん、アイデアをメモしたりノートは使いますが、「きれいにノートをとることで勉強した気になる」罠には気をつけましょう。
独学はいつでもできる!
先に読んだ柳川範之さんの『独学という道もある』では、10代20代の若い世代へ向けて「もし道を外れても、別の道を行けばいい」というメッセージが込められているように感じました。もちろん、それ以上の世代にも当てはめて読めなくはありませんが、今回紹介した『独学勉強法』の方が、より多くの人に当てはまるものだと感じました。
なんといっても、とんでもない速さで価値や考えがどんどん変化してゆく時代です。年齢に関係なく「勉強」し続けないとヤバイ。そして、あさよるは世代的に中学高校を卒業してそろそろ20年になります。さすがに「過去に学んだことを忘れている」という事態が頻発しています。あさよるは個人的に、これまでに勉強したことは定期的に復習をした方がいいと思っています。せっかく勉強したんだから、忘却してしまうのはもったいない。一から新しく勉強をするよりも、復習する方がずっと簡単です。これは「一般常識の点検」といったところでしょうか。
それと同時に、今の自分の課題に集中して「独学」する力が必要なのだろうなあと思います。独学の良いとことは、いつでもできるし、テストもないし、先生の顔色を伺う必要もないし、のびのびマイペースにやれることだろうと思います。「嫌々勉強する」青年時代を卒業して、自分にふさわしい課題を自分に用意できるといいですね。
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東大教授が教える独学勉強法
目次情報
はじめに
第1章 新しい「勉強」が必要とされる時代
なぜ人は勉強するのか?
勉強の本質は「考えること」
学問を身につけた人は、情報に振り回されない
答えのある問いから答えの無い問いへ
生き残るためには応用力と独創力を身につけよ
勉強は加工業、自分の中での“熟成”が大事
これからは学び、自分の頭で考える時代
コラム 本書で身につけてほしい勉強について第2章 なぜ独学が、一番身につくのか
独学のメリット
・最大のメリットは「自分のペース」で勉強できること
・自分の理解に合った教材を選べる
・すぐ人に聞けないから、自分で考えるクセがつく
・自分で自分を評価する力がつく
独学に向く人、向かない人
自分で勉強してみると人生の選択肢が広がる
コラム 情報がないと、否が応でも自分で考える力がつく第3章 勉強を始める前にやっておきたいこと
いきなり勉強してはいけない
まず、自分に合う勉強のコツを探そう
資格試験に落ち続けている人が陥りがちなパターン
勉強する前に、勉強する姿勢をつくる
つねに「自分がどう思うか、どう考えるか」を考えるクセをつけよ
テーマの立て方・探し方
・一番簡単なテーマの探し方
・「何が分かっていないか」という視点から見る
・学びたいことが浮かばない人へのアドバイス
目標の立て方・管理の仕方
・目標達成は3割でよしとする
・目標の意義は、進捗状況を自分なりに確認する点にある
・長期的な目標は「仮」の意識
コラム たった一つの質問で道が拓けることもある第4章 新しい分野に、どう取りかかり、学びを深めていくか
情報収集・資料収集について
・最初から集めすぎないコツ
・走りながら、その都度その都度探してくるイメージで
・まずはとっかかりの入門書を3冊買ってみよう
・どんな本を選ぶできか迷ったときは……
本の読み方
・本の中に正解を探さない
・入門書・概要書は2段ステップで読む
・わからない用語は無視、本の基本コンセプトをつかむ読み方を
・マーカーを引くより、繰り返し読んだほうが身につく
・著者の立場で「自分なりの考え」を考えていくトレーニング
ノート・メモについて
・私がノートを作らない理由
・思いついたアイデアなど断片的な情報はメモをとる
・要点はまとめない、要約もしない
コラム 大学の講義やカルチャーセンターをうまく利用する第5章 学びを自分の中で熟成・加工し、成果をアウトプットする
専門書を読んでみよう
・専門書こそおもしろい
・著者のけんかしながら読む
学びを熟成させるプロセス
・「熟成」は勉強において一番大事な工程
・ものごとを「普遍化」させていく
・似たものを「関連づけて」いくことで、本質をとらえる
・学問と現実を関連づける能力「応用する力」をつける
・頭にいったん入れたことを「揺らしてみる」
・「自分はわかっていない」と感じる経験こそが大切
学びの成果をアウトプットする
・人に伝えようとすることで学びはさらに深まる
・自分の言葉で書く
・やさしく書く
・独学そのものが論文を書く良いトレーニングになる
コラム ゆっくり、自分の道を見つけようあとがき
文庫版のためのあとがき
柳川 範之(やながわ・のりゆき)
1963年生まれ。東京大学経済学部教授。中学卒業後、父親の海外転勤にともないブラジルへ。ブラジルでは高校へ行かずに独学生活を送る。大検を受け慶應義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。大学時代はシンガポールで通信教育を受けながら独学生活を続ける。大学を卒業後、東京大学大学院経済学部研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。
現在は契約理論や金融関係の研究を行うかたわら、自身の体験をもとに、おもに若い人たちに向けて学問の面白さを伝えている。主な著書に『法と企業行動の経済分析』(第50回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)、『契約と組織の経済学』(東洋経済新報社)など。
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