筆子『それって、必要? いらないものにしばられずに、1週間で人生を変える30の方法』|誰かのために生きるの?ミニマリストの提案

『それって、必要?』挿絵イラスト 59 家政学、生活科学

こんにちは。片づいたと思うとすぐに散らかってイヤんなってる あさよるです。これ以上モノを減らすとなると、なにか自分の中の〈タガ〉を外さないといけない気がして、メンタルブロックが強いです。だけど、どう考えても今の状況はモノが多い気がする……少なくとも、今のあさよるは、自分の荷物を管理しきれていないのだった。

断捨離なあ~。ときめき……ときめかないけど取っておいてあるもの多いなあ……。いらない、使わないってわかってるのになあ~と、自分の中でモヤモヤが収まらないので、ミニマリスト筆子さんの断捨離・片づけ本『それって、必要?』を手に取りました。

あさよるが感心したのは、「家事こそマニュアルが必要だ」という項目です。確かに。家事はルーチン化されているものも多いからマニュアルにしやすいし、一方で至急・急用も頻発するので管理が面倒くさいんですよね。自分用のマニュアルを作っておけば、頭の中がずいぶんスッキリします。同じように、一日の仕事や食事の段取りも、なんとなく宙ぶらりんなまま進めていることが多い。丁度4月だし、家計簿、つけますか。タスク書き出しましょうか。予定を立てましょうか。

えっと、あさよるは、この記事を抽象的なテーマをピックアップして書きました。が、本書『それって、必要?』ではもう少し具体的に片づけの進め方や、気持ちの持ってゆきかたが紹介されているので安心してください。そう、片づけって、精神的にキツくて「気持ちをどう落ち着かせるか」が大事だったりします。ちゃんとその辺もフォローされている本ですw

ミニマリストは物を持たないことじゃない

本書『それって、必要?』はミニマリストの筆子さんによる、ミニマリストになるための指南です。しかし、もしミニマリストを「何も物を持たない人」だと考えているのなら、筆子さんのミニマリスト像とは異なります。筆子さんの唱えるミニマリストとは、必要なものを自分で見極め、自分の「ちょうどいい」環境を自ら整える活動だと言えるでしょう。

もったいぶった言い方をしてしまいました。簡単に言えば、「自分にとって必要なものを見極める」「他人の基準ではなく、自分基準で選ぶ」「自分に不要なものは手放す」を徹底し、「自分が過ごしやすい環境」「自分が豊かに生きれる環境」を自ら作るのです。

人生の主体を取り戻す!

大切なのは、「基準は自分」ということ。「流行っているから」「テレビで見たから」「みんながやってるから」採用するのではありません。また「あの人が良いって言ってたから」や「本に書いてあった」でもありません。一つ一つ、自分で精査して、自分に必要なものを選び取っていく作業が「ミニマリスト」の生き方なんです。

もちろん、単身世帯なら話は早いですが、家族がいれば、家族の幸福度が自分のそれにも大きく影響します。だから、自分勝手な活動になってもいけません。難しく、とても神経を使う判断もあるでしょう。そうまでして、なんで「ミニマリスト」をやらなきゃならないの? って、それは「人生の主体を取り戻す」ためです。

他人の基準で生きていれば、いつまで経っても満たされません。だって、新しい商品や流行はどんどん生まれ、社会は消費を促すのです。それに、誰かに見栄を張ったり、自慢をするためにモノを集めていても、所詮は「他人のため」の物。ひと時の優越感が味わえるかもしれませんが、自分が豊かになれるわけではありません。

自分基準で、自分が豊かに生きる。そのためのミニマリズムであり、本書『それって、必要?』はそのアシスタントをする本です。

自分で責任を引き受ける

本書のミニマリストになるための手引きはシンプルなんですが、それを実行するためには、自分自身で生活の、人生の責任を自分で負う必要があります。なぜなら、例えば〈ときめきの片付け〉が失敗したなら「片付けの魔法が効かなかった」と言えばよいのです。〈断捨離〉に失敗したなら「本が読みにくい」と言えばよいのです。他人の知恵を借りている限り、失敗すれば他人のせいにしとけばいい。だけど、本書『それって、必要?』では、究極の一言が飛び出します。それは……

誰もがみな同じやり方で家事をする必要はないはず

筆子さんも本書で家計簿をつけたり、家事のマニュアル化など、取り組むべき課題を挙げています。しかし、家計簿をどのようにつけるのか、家事をどうマニュアル化するのかは、その人によって、その家庭によって違っていて当たり前です。だから、試行錯誤しながら作ってゆくしかないんです。

本書では、事細かな具体的なメソッドを手取り足取り教えるものではありません。そうではなく、人生の主体は自分であること、自分で必要なものを選ぶこと。他人を牽制するためにモノを買うのではなく、自分が豊かになるためにモノを選ぶこと。自分がより幸せに、のびのびと生きられるための生活習慣を手に入れることなど、「課題にすべきこと」の項目が挙げられます。

もちろん、筆子さん流の〈やり方〉は紹介されていますが、あくまでそれは筆子さんファミリーでのお話。ちなみに筆子さんはカナダ在住のブロガーの方なので、日本在住の会社員の人とは生活そのものも違うでしょう。

だけど、ありきたりですが「自分らしく」生きるって、職業や住んでいる場所は関係ないですよね。自分の、自分らしい、自分が気持ちいい生き方を、自分で見つけるための行動を「ミニマリスト」と定義されているんです。

『それって、必要?』挿絵イラスト

〈誰か〉のために生きるのか

本書を読んでいてドキッとしたのは、「他人のために持っている物」の数々に思い至ったからです。別に「自慢したい」「マウンティング用」とか意識しているわけではありませんでしたが、「あの人に見せたらどう思うかなあ」「これを持っている私はどんな風に見えるだろう」と〈他人の視点〉から物を選び、買い、保管していたのです。

あさよるも、これまで片づけ・断捨離本を紹介してきましたし、かなり家財道具を見直し、物は少なく減らしました。それでもまだ、「自分の中の他人」が棲んでいて、自分基準ではない物品を所持していることに気づきました。ショック!

もっともっと、自分の欲しい物、自分が気に入ったもの、自分に特別なものを選んで持っていても良いんです。だって、あさよるの持ち物なんて誰も気にしていないから。自分の持ち物を気にしているのって、この世で自分だけなんですよね……w 他人を牽制してマウントを取りたがる人は、たとえ高価なアクセサリーを持っていても、オシャレしていも、何をしていてもイヤミを言うんだから、自分本位に物を選んでいても同じなのだった。何を気にしてたんだろ~。

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筆子さんの本

断捨離、ミニマリストの本

掃除や家事の本

シンプルライフの本

生活を変えるための本

それって、必要?いらないものにしばられずに、1週間で人生を変える30の方法

目次情報

はじめに

1日目 物の捨て方について
捨てられない「物」より、まずは「気持ち」の落とし前

提案1 いる、いらないの判断力がつく「捨てるためのサムシングフォー」

・いらない物を見つける4つのポイント

提案2 捨てたことを後悔するより捨てられた自分をほめよう

・大丈夫! 捨てる前より、人生はよくなっている!
・この世はままならないことばかりだから

提案3 その買い物、必要ですか?

・新たな価値観を生み出す「買わない挑戦」
・制限をかけることで必要なものが見えてくる

提案4 「まだ使える。でも捨てよう!」これだけで家が片づく

・使える物はガラクタよりやっかい!
・いま使っていない物の「いま」がわからない?

2日目 家事について
「必要最低限」について考えてみる

提案5 その「面倒くさい!」は解決できます

・「1日15分でほどほどきれい」の法則

提案6 「今日、なにをするか」でもう迷わない!

・家事こそがマニュアルが必要です
・日常生活に必要な情報は「家事ノート」にまとめる
・「家事ノート」は育てるもの!

提案7 「週間プラン」で家事のやり残しをなくす

・雑然としたゴミ部屋はこうしてきれいになった!
・火曜日は死蔵品を活かす「活用日」

提案8 誰もがみな同じやり方で家事をする必要はないはず

・服はたたまない「放り込み方式」
・かしこい片づけは自分を知ることから

提案9 家事の頑張りすぎがあなたを不幸にする

・家のことは家族みんんでやる!
・スーパー主婦伝説に惑わされない

COLUMN 暮らしを快適にする家事ルーティン一覧表

3日目 生活習慣について
「なんとなく」続けているなら、それやめられます!

提案10 その「必要」は誰にとっての必要ですか?

・思い込みと一緒に捨てたあれこれ
・敷布団を捨てたら身軽になった!

提案11 朝一番の時間を、誰のために使いますか?

・朝一番にメールのチェックをしてはいけない
・自分のやりたいことで、1日をスタートさせる

提案12 毎年、年賀状を書くのが負担になっていませんか

・儀礼的な行事で自分の時間をムダにしない
・「これが最後の年賀状です!」
・少なくとも規模を縮小できないか?

提案13 見えを張った自分は自分じゃない別の人

・もっと本音で生きたほうが楽しい
・自分をもっと好きになれる方法は、思いのほかシンプル

提案14 使いこなしているつもりのデジタルツールに使われていませんか?

・デジタルデトックスのすすめ
・ゆっくり流れる時間を味わう

4日目 時間の使い方について
自分が先延ばしにしているものにこそ、ヒントがある

提案15 忙しいと思っている人ほど物を減らすべきです

・片づかないのは忙しいから、ではない
・「忙しい」にケリをつけないといつまでも忙しいまま

提案16 その「時間がない」は「やりたくない」かもしれません

・時間は増やせないが、使い方は変えられる
・時間を節約しても、望みの人生にはならない

提案17 そのメールの返信、「いま」必要ですか?

・メールチェック自体を減らしてみる
・大切なメールはじつはそれほど多くない

提案18 あらゆる情報を知ろうとすると忙しくなる

・「後で読もう」は必要なしのサイン!?
・すべての情報を知る必要はないと知る

提案19 効率を重視するあまり失っているものに気づいてください

・マルチタスクの非効率
・結局、一つのことに集中するのがいちばん早い

提案20 いろんなことをやる人生よりたいせつなことをやれる人生のほうが豊かである

・「もっともっと」は燃え尽きる
・あわただしい暮らしは車酔いしているのと同じ!?

提案21 もうそろそろ後回しグセをやめませんか?

・すぐやるための、具体的な3つの方法
・物事ははじめるときがもっとも難しいと知っておく

5日目 お金について
「足りないマインド」から「たっぷりあるマインド」へ

提案22 心のストレスをためる節約では貯金もできない

・不幸になってしまう節約とは?
・人を不幸にするのはお金はなくフロー

提案23 「足りない」病気にかかっていませんか?

・幸福のパイは一つだけではない
・「自分はもう、充分持っている」と思うだけでいい

提案24 その不安は必要ですか?

・取り越し苦労は思考のクセ
・心配事のうずに巻き込まれない

6日目 人間関係について
愛情や幸せは無限、だけどエネルギーや時間は無限

提案25 「ノー」と伝えることで失うものは何もありません

・シンプルに「できない」と言えばいい
・「いい人」と「お人よし」は違う

提案26 他人に対しての不平不満こそまっさきに手放すべき

・不満を感じたときに、心を落ち着かせる3つのこと
・私の心には「何もないスペース」がある

提案27 他人の幸せを喜べないときは、自分の幸せにも気づいていない

・人と張り合うとよけいな物が増える
・現代人に必要なのは、素直に喜ぶ練習
・愛や幸せは無限、心のエネルギーや時間は有限

提案28 自分を毒してしまう人間関係を捨て去るともっといい人間関係が生まれる

・自分を毒してしまう関係とは?
・人に落ち度はなく、ただ関係性が問題なだけ

7日目 人生について
「いまこのときを味わいつくす」だけでいい

提案29 ネガティブな感情で人生をムダにしていませんか

・「モーニングページ」で自分らしさを取り戻す
・考え方を柔軟にすることも、創造的であるということ
・起きてすぐ書く理由

提案30 人生をおもしろくする「いいな」を探す力を高めよう

・退屈を放っておいてはいけない!
・なぜ毎日がつまらないと思うのでしょう?
・応援することで自分も他人も幸せになる

おわりに

筆子(ふでこ)

カナダ在住、五十路主婦ミニマリスト。
ブログ「筆子ジャーナル」主宰。
1959年生まれ、愛知県出身。付録やおまけが捨てられない物に収着するタイプだったが、20代後半のあるとき、溜め込んだ物の多さに愕然!!シンプルライフを志すようになる。
その後、日本での社会人経験を経て、1996年単身カナダへ。物が増えたり、減ったりをくり返しながら、ついにシンプルライフを実現する。
現在は、一つ年下の夫、大学生の娘との3人暮らし。

2015年2月、ブログ「筆子ジャーナル」を開設し、持たない暮らしや節約に励む日々、日本では得られない海外ミニマリストに関する情報などをほぼ毎日発信。月間250万PVを誇る人気ブログとなる。
シンプルライフの基本ともいえる物の捨て方について語った初の著書、「1週間で8割捨てる技術」(小社刊)はベストセラーとなった。

コメント

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