『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』|誰もがドーパミン依存!?

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恋する気持ちも、好奇心も向上心も、ドーパミンのせい!?

アルコールをきっかけに、脳の働きを知りたくなった

以前、アルコールの働きを知るきっかけがありました。

人はアルコールを摂取すると、脳が麻痺します。大脳が麻痺すると感情のコントロールができなくなり、ゲラゲラ笑ったり、悲しくなって泣いてしまう人もいます。

さらにアルコールを摂取し、脳の中心部にある「海馬」が麻痺すると、記憶ができなくなります。「ブラックアウトする」とか「記憶がない」という状態は、海馬まで麻痺した状態です。

アルコールが脳に及ぼす影響を知ると、「怖っ!Σ(゚д゚;)」と思った反面、脳の仕組みって面白いなぁとも感じました。

興味の書籍を探すうちに本書『脳内麻薬』に出会いました。

脳内で分泌される物質を知ると……

脳の中では、大きく3つの種類の物質が分泌されています。

  • ドーパミン
  • セロトニン
  • アドレナリン

三つとも、それぞれ名前は聞いたことのある物質ですね。本書『脳内麻薬』では、その中の「ドーパミン」に焦点が当てられます。

ドーパミンは、「気持ちいい!」とか「楽しい!」「嬉しい!」や、興奮したときに分泌されるもの。「人に褒められて嬉しい」とか「新しいこと始めよう!」とか、好奇心を感じたり、意欲に燃えてるときにも、ドーパミンが分泌されます。

嬉しい!とか、ワクワクしたり、興奮状態になると、すごく気持ちいい!ドーパミンは“快楽物資”なのです。

それゆえに、ドーパミンに依存してしまう人も後を絶ちません。より正確に言うと、ドーパミンが分泌する状態に依存してしまいます。

自分のノリやテンションを、ちょっと客観的に観察できるかも

脳内で何が起こっているのか知ることで、自分の“ノリ”や“テンション”も冷静に考えられるように。

残業や徹夜で変なハイテンションになっちゃうのは、ドーパミンのせい。深夜番組が妙に面白おかしくて、ゲラゲラ笑っちゃうのも、眠たさとドーパミンがそうさせてるのかも。

人に褒められるのがうれしくて、もっともっと仕事を頑張れちゃうのもドーパミンが分泌されるから。

流行りの自己啓発本を読むと、やる気がわいてくるのも、沸いているのはドーパミンです。

大好きな彼や彼女が好きで好きで、恋人に特別なことをしてあげたい。どんなわがままも許してあげるのは自分だけ。そんな気持ちも、ドーパミンの作用と絡めて考えると、見えてくるものが変わります。

入門書的な一冊。

『脳内麻薬』は、医学の専門書ではありません。

脳内物質という存在。中でもドーパミンという物質の作用を、とても初歩的に簡単に説明します。具体例も多く、麻薬・アヘンの中毒性や、その歴史については、ページ数も割かれています。

あくまで客観的事実を羅列するのみで、初心者向けの書籍に徹底しています。

ですから、もっと専門的な書籍を探している人には不向きです。また、著者による見解や考えを知りたい人にとっても、物足りない内容でしょう。

「依存」は他人事じゃない

「依存症」と聞くと、どんな人、どんな状態を思い浮かべますか?

アルコール依存症、麻薬・覚醒剤依存、薬物依存、カルト宗教や恋人・配偶者に依存する人、仕事に依存している人や、趣味に依存している人もいます。人に認められることで自己肯定感を満たす人や、自分が辛い・苦しい思いを背負うことで使命感を感じられる人もいます。

あさよるは、「依存」を他人事のように思っていました。何かに依存するほど情熱もないし~なんて、軽く捉えていたのです。

しかし、「依存」を“脳の仕組み”によるものだと知ると、他人事ではないのだとわかります。むしろ、あさよるもドーパミンが多量に分泌しているであろう状態が、すごく多い気がします……。

みんな依存している。食事に、仕事に

例えば、食事。

わたしたちは「食事」に依存しています。食事をとらないと体調を崩したり、禁断症状が表れます。もう食べ物を食べられないかもしれないと思うと、不安になったり、イライラします。

実際に、食事とドーパミンは大きく関連しています。おいしい食事はウキウキしますし、好きな人と一緒に囲む食卓には幸せを感じます。

あるいは「ランナーズ・ハイ」。長距離走で、ある地点を過ぎると、苦しいはずなのに気持ちよく感じるそうです。同じようなことは、仕事中や勉強中にも起こります。

食事もランナーズ・ハイも、「依存」と同じ仕組み

食事や、ランナーズ・ハイを、「依存」とは普段認識していません。

しかし、アルコールや薬物依存、恋愛依存やDVなどと、脳の中で起こっていることは同じです。ですから、「他人事」とは言い切ることは誰もできないのです。

「脳内麻薬」は、誰にでも関係のあることなのだと知りました。

心のコンディションにも!体と心はひとつ

自分の脳内で起こっていることを知ると、一つ、自分を見つめる客観的視点を手に入れたようです。

夜中、フリマアプリで落札しようとしている商品、ドーパミンがそうさせているだけではありませんか?

好きな人に褒められて嬉しい気持ちや、競争して勝利した気持ち良さは、一度知れば忘れられません。

人は「恋愛」に大きな労力を使います。ただ子孫を残すだけならば、もっと簡単に済むはずなのに、長い時間をかけ、プレゼントを選び、相手に気に入られるよう繕い、時に悲しみにくれたり、喪失感にも苛まれます。

ヒトは、脳内麻薬に突き動かされて生きている動物です。恋心をはじめ、好奇心や、執着心も、人間らしい感情です。

脳内麻薬のドーパミンを知ることで、自分のことを、もう一歩深く知れるでしょう。

脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体

目次情報

はじめに

第1章 快感の脳内回路

快感の源、ドーパミン
ドーパミンは何をしているのか
1時間に7000回もレバーを押すネズミ
「ご褒美」は本能に打ち勝つ
報酬系の発見
神経と脳
神経伝達物質の2つの働き
快感をコントロールする2種の神経
ドーパミン過剰・不足になると
もう一つの欲求・苦痛の減少
苦痛を和らげる快楽物質。オピオイド
自分の体から分泌され、自分の体に効く脳内麻薬
ランナーズ・ハイとオピオイド

第2章 脳内麻薬と薬物依存

患者数の最も多い病気、依存症
依存症の正体
記憶はシナプスで作られる

依存症には三種類ある
アルコール依存が起こるしくみ
ニコチン(タバコ)依存症
麻薬と脳の関係
ドーパミンを回収できなくする天然物質、コカイン
脳に大量のドーパミンをもたらす、覚醒剤
アヘン生産の歴史
アヘンからヘロインへ
世界の94パーセントのアヘンがアフガニスタン産
天然の幻覚作用を持つ「マジックマッシュルーム」
MOA阻害物質(モノアミン酸化酵素阻害剤)を含む植物
DMTを含む植物
メスカリンを含む植物
幻覚のしくみとカクテル
カビから生まれたLSD
老化が早まる、MDMA(エクスタシー)
動物用の全身麻酔薬、ケタミン
GHB
パーキンソニズム
向精神薬
抗うつ薬と抗不安薬
睡眠薬と抗精神病薬
多剤大量処方

第3章 そのほかの依存症
過食、セックス、恋愛、ゲーム、ギャンブル

ストレスと摂食障害
脳に分泌される物質、レプチン
報酬系と食欲のコントロール
見かけ倒しのご褒美
セックス依存症は、病気なのか
セックスの快感と報酬系の関わり
セックスに依存してしまう理由
恋愛依存症
恋愛感情が依存症になるまで
人間関係への依存と社会的報酬の関わり
お互いが依存しあう関係、共依存
ミュンヒハウゼン症候群
オンラインゲームにハマる理由
「ハイリスク」という快感――ギャンブルへの依存
ギャンブルと報酬系
ギャンブルにおける脳の非合理な解釈
ニアミスや直接介入の効用

第4章 社会的報酬

社会的報酬とは何か
承認・評価
信用・信頼・尊敬
社会的報酬とドーパミン
独裁者ゲーム
最後通牒ゲーム
換金率の差がもたらすもの
責任というストレスの回避
年収と幸福感は相関しない
「ロウソクの問題」が示す、ヒトの行動動機
他社との比較で得られる幸福感
浮気する脳
浮気するアメリカハタネズミ
結婚生活と脳
社会的報酬の周囲にあるもの
自分が生きている意味を確認せずにはいられない、得意な生物
「スマイル0円」の価値
笑顔を見るとき、笑顔でいるとき
幸福度の高い人ほど、死亡リスクが低い
幸せと寿命
自己実現の欲求――マズローの欲求段階説

主要参考文献

中野 信子(なかの・のぶこ)

東京大学工学部卒業後、二〇〇四年、東京大学院医学系研究科医科学専攻修士課程修了。〇八年、東京大学医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。同年から一〇年まで、フランス原子力庁サクレー研究所で研究員として勤務。フジテレビ「平成教育委員会2013!!ニッポンの頭脳決定戦SP」で優勝、「日本一優秀な頭脳の持ち主」の称号を得る。著書に『東大卒の女性脳科学者が、金持ち脳のなり方、全部教えます。』(経済界)、『成功する人の妄想の技術』(ベストセラーズ)、『科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)、『世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム)などがある。「情報プレゼンター とくダネ!」「ホンマでっか!?TV」など、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。

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